○大玉村男女共同参画推進条例
平成17年3月22日
条例第3号
日本国憲法は、個人の尊重と法の下の平等をうたっている。
すべての人は、その性別にかかわりなく、個性ある一人の個人として尊重され、国や地方自治体さらに地域社会は一人ひとりの尊厳を確保する責務を負っている。
しかしながら、いまなお性別による固定的役割分担意識やそれに根ざした慣習が広く存在し、男女共同参画の実現には一層の努力が求められている。
さらに、急激に進む少子高齢化、高度情報化、国際化など社会が急速に変化する中で豊かな地域社会を創造していくためには、その変化に対応するため男女がお互いの人権を尊重し様々な分野で責任を分ち合い、その個性と能力を十分に発揮することのできる社会を形成していくことが重要である。
私たちは、安達太良に抱かれた緑豊かな大玉村で、男女平等を基本とした男女共同参画社会の実現を図ることを決意し、村、村民及び事業者が協力共同し、一体となった取組を進めるためこの条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)の理念に基づき、大玉村における男女共同参画の推進に関し、基本方針を定め、村、村民及び事業者の責務を明らかにし、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施することにより、男女の人権が尊重され、一人ひとりの個性が花開く地域社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思による社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されるとともに、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受けることができ、かつ、共に責任を負うことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該活動に参画する機会を積極的に提供することをいう。
(3) 事業者 村内において公的機関、民間、個人、法人を問わず、又営利、非営利を問わず事業を行うものをいう。
(4) セクシャルハラスメント 性的な言動により、相手に不快・苦痛や不利益を与えること又は相手の平素な日常生活を送る権利を侵害することをいう。
(基本方針)
第3条 男女共同参画の推進についての基本方針(以下「基本方針」という。)は次に掲げるとおりとする。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられ、性別による差別的取扱を受けることなく、個人として能力を発揮する機会が確保され、男女の人権が尊重されること。
(2) 性別による固定的な役割分担意識に基づく社会における制度や慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼさないよう配慮されること。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、村における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が共に、家事、育児、家族の介護その他の家庭生活における活動及び、学校、職場、地域等における活動を円滑に行うことができるよう配慮されること。
(5) 妊娠、出産に関し、男女が互いの意思を尊重すること及び互いに生涯にわたり健康な生活を営むことについて配慮されること。
(6) 国際社会における取組との関係が考慮されること。
(村の責務)
第4条 村は、基本方針にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施するものとする。
2 村は、男女共同参画の推進にあたり、村民、事業者と連携して取組むものとする。
3 村は、村民、事業者に対して男女共同参画の推進に関する情報提供その他必要な支援を行うものとする。
4 村は、第1項に規定する施策を総合的に企画、調整、推進するために必要な体制を整備するとともに、財政上の措置その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
5 村は、他の自治体との連携及び協力、国及び県の施策等との調整を図りながら、広域的連携及び協力に努めなければならない。
(村民の責務)
第5条 村民は基本方針にのっとり、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、自ら男女共同参画の推進に努めなくてはならない。
2 村民は、性別による固定的な役割分担意識に基づく制度又は慣行の改善に努めなければならない。
3 村民は、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなくてはならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、男女共同参画推進に関して理解を深め、基本方針にのっとり、その事業活動を行うにあたり、積極的に男女共同参画の推進に努めなくてはならない。
2 事業者は、男女が共に、職場における活動と家庭等における活動を両立することができるよう職場環境の整備に努めなければならない。
3 事業者は、村が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による人権侵害の禁止等)
第7条 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のいかなる場所においても、直接的であるか間接的であるかを問わず、性別を理由とする権利侵害や差別的取扱を行ってはならない。
2 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のいかなる場所においても、男女間における暴力的行為(精神的苦痛を与える行為も含む。以下同じ。)を行ってはならない。
3 何人も、家庭、学校、職場、地域その他社会のいかなる場所においてもセクシャルハラスメントを行ってはならない。
(情報の表示に関する留意)
第8条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担意識又は男女間における暴力的行為を助長させる表現をしないよう努めなければならない。
(男女共同参画推進審議会)
第9条 村長は、男女共同参画の推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要事項の調査審議のため、大玉村男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は男女共同参画推進に関する事項について、村長に意見を述べることができる。
3 審議会は、識見を有する者のうちから村長が委嘱する委員10名以内をもって構成する。
4 審議会委員の委嘱にあたり、若干名を公募によることができる。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
6 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(基本計画の策定)
第10条 村長は、男女共同参画の地域づくりを推進するため、総合的かつ具体的施策を取りまとめ、大玉村男女共同参画基本計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱
(2) 前項に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 村長は、基本計画を定めようとするときは、村民及び事業者の意見を反映するよう、適切な措置を講ずるものとする。
4 村長は、基本計画を定めたときは遅滞なくこれを公表しなければならない。
5 前2項は、基本計画の変更についてこれを準用する。
(政策の決定過程への共同参画の推進)
第11条 村は、村の政策の立案から決定までの過程に、男女が共同して参画する機会を確保するよう努めるものとする。
(表彰)
第12条 村長は、男女共同参画社会の形成促進に著しく寄与した村民及び事業者を表彰することができる。
(相談の対応等)
第13条 村は、性別に基づく差別、人権の侵害等に関する村民の相談の対応に努めなければならない。
2 村は、前項に規定する相談を受けたときは、関係機関等と連携を図る等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(施策の実施状況等の公表)
第14条 村長は、施策の総合的な推進に資するため、主要な施策の実施状況について毎年公表するものとする。
附則
この条例は、平成17年4月1日から施行する。