○大玉村環境基本条例

平成29年3月16日

条例第2号

本村は、安達太良の大いなる自然の恵みを受けている。この安達太良のもとに、多種多様な動植物が生息し、私たちもその中で生活している。

私たちは、この自然資源や条件を上手に利用し繁栄してきており、自然に対し畏敬の念を持っていた。

私たちは、健全で豊かな環境の恵みを享受する権利を等しく有し、同様に豊かな環境を守り、育てながら後世に引き継ぐ責務がある。

また、気候変動によるリスク軽減のための行動や東日本大震災で学んだエネルギー消費の有り方など地球規模での視点で私たちの生活の中から取り組んで行かなくてはならない。

一方で、産業構造の変化や多様な生活様式の混在による生活上の新たな課題も生じている。

私たちは、自然環境がもたらす恩恵によって支えられ、育まれてきたことを改めて認識し、村、村民及び事業者の全てが協働し、環境への負荷の低減に努めるとともに豊かで快適な環境を保全しながら創造していくため、ここに大玉村環境基本条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、環境基本法(平成5年法律第91号、以下「法」という。)第7条の規定に基づき地方公共団体の責務として、環境の保全と創造についての基本的な考え方を定め、村、村民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全と創造に関する施策の基本的な事項を定めることにより、将来にわたって村民が健康で安全かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な環境の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となっているもの及びそのおそれのあるものをいう。

(2) 地球環境の保全 人の活動による地球の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又は広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに村民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全と創造は、全ての村民が健康で安全かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な生活環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全と創造は、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の実現を目的として行われなければならない。

3 地球環境の保全は、人類共通の課題であり、すべての日常生活及び事業活動において、積極的に推進されなければならない。

(村の責務)

第4条 村は、基本理念に基づき、環境の保全と創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施するものとする。

2 村は、村民及び事業者が環境への理解を深め、かつ、環境保全に対する意欲を高めるために必要な措置を講じなければならない。

(村民の責務)

第5条 村民は、基本理念に基づき、その日常生活において適正な廃棄物の処理や処分、適切なエネルギー消費など環境への負荷の低減に自ら努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、村民は環境の保全と創造に自ら努めるとともに、村が実施する環境の保全と創造に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、その事業活動に伴って生じる環境への負荷を低減するため、自己の責任において、必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、法令、条例等の規定に違反しない場合であっても、良好な環境を損なうことのないよう最大限の努力を払わなければならない。その事業活動により良好な環境の侵害に係る紛争が生じたときも同様とする。

3 事業者は、村が実施する環境の保全と創造に関する施策に協力しなければならない。

(基本方針)

第7条 村は、環境の保全と創造に関する施策を策定し、実施するに当たっては、基本理念に基づき、次に掲げる事項を基本方針とし、総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 温室効果ガスの排出低減のため、省資源、省エネルギーの推進を行うとともに再生可能エネルギー等導入の普及を図る。

(2) 循環型社会を構築するため、廃棄物の適正処理及び減量化等の推進を行う。

(3) 豊かな自然環境を保つため、生物の多様性を保全するとともに、河川、ため池、森林、農地等の自然環境を体系的に保全し、自然と共生できる地域づくりを行う。

(4) 良質で健康的な生活環境を確保するため、公害の未然防止、緑化の推進、歴史的・文化的な景観の形成等を行う。

(環境基本計画)

第8条 村長は、環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、その基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 村長は、環境基本計画を策定するに当たっては、村民等の意見の反映を講じるとともに、大玉村環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

3 村長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

4 第2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(村の施策と環境基本計画との関係)

第9条 村は、自らの施策を策定し及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図り、環境の保全と創造に配慮しなければならない。

(村民等の意見の反映)

第10条 村は、環境の保全と創造に関する施策を策定するに当たっては、村民等の意見の聴取及び反映に努めるものとする。

(開発事業等に係る環境の配慮)

第11条 村は、土地の形質の変更、工作物の新設その他の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある事業(以下「開発事業等」という。)を行おうとする者に、あらかじめ当該事業に係る環境への影響について適正に配慮するよう、自然環境の保全、開発事業等の必要性その他の総合的見地から助言その他の必要な措置を講ずるものとする。

(村の率先実行)

第12条 村は、自らが事業者及び消費者としての立場であるとの認識のもとに、環境の保全と創造に資する行為を率先して実行するものとする。

(環境教育及び環境学習の推進)

第13条 村は、村民等が環境の保全と創造についての関心と理解を深めるとともに、村民等による自発的な環境活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境教育及び環境学習が推進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(環境施策の実施状況の公表)

第14条 村長は、毎年度、環境の保全と創造に関する施策の実施状況等を取りまとめ、その概要を公表するものとする。

(国、県及び他の自治体等との協力)

第15条 村は、環境の保全と創造に関する広域的な取り組みを必要とする施策については、国、県及び他の自治体等と協力して推進するよう努めるものとする。

(地球環境保全の推進等)

第16条 村は、地球環境の保全に資するため、地球温暖化の防止、オゾン層の保護等に関する施策の推進を図るとともに、環境の保全と創造に関する国際的な連携に努めなければならない。

(環境審議会)

第17条 環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するうえで必要な事項を調査審議するため、法第44条の規定に基づき、審議会を設置する。

(所掌事務)

第18条 審議会は、村長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 環境の保全と創造に係る基本的事項に関すること。

(3) その他、環境の保全と創造に関し必要な事項に関すること。

2 審議会は、環境の保全と創造に関する重要事項について、必要があると認めるときは、村長に意見を述べることができる。

(組織)

第19条 審議会は、村長が委嘱する委員15人以内をもって組織する。

2 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が任期の途中で欠けた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第20条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、会務を総理し会議の議長となる。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(会議)

第21条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは議長が決するところによる。

この条例は、公布の日から施行する。

大玉村環境基本条例

平成29年3月16日 条例第2号

(平成29年3月16日施行)