○障がいのある人もない人も共に生きる大玉村づくり条例

令和4年6月17日

条例第11号

(前文)

全ての人は、障がいの有無にかかわらず、地域社会で生活する平等の権利を有している。

しかし現実には、障がいや障がいのある人に対する理解不足や偏見、誤解、障がいへの配慮が不十分な社会の仕組みなど様々な障壁に直面し、障がいのある人の社会参加や自立が妨げられているなど、障がいのある人やその家族が暮らしにくさを感じている実情がある。

このような状況から、村民一人一人が、障がいを理由とする差別を身近な問題として捉え、障がいや障がいのある人に対する理解を深め、障がいのある人の性別、年齢及び障がいの状態に応じた適切な配慮について学び実践していくことが重要である。

このような認識のもと、村、村民及び事業者が一体となって、障がいの有無にかかわらず、誰もがお互いの人格と個性を尊重し、多様性を認めて支え合い、共に安心して暮らせる共生社会の実現を目指していくために、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)(以下「法」という。)の「全ての国民が、障がいの有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」の理念のもと、障がい及び障がいのある人への村民の理解を深め、障がいの有無によって分け隔てられることなく、障がい者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関する基本原則を定め、合理的配慮に関する村の責務並びに村民、事業者の役割を明らかにするとともに、障がいのある人もない人も共に暮らしやすい共生社会の実現に寄与すること及び村民がお互いに支え合う仕組みを構築することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 障がい者 身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む。)、その他の心身の障がい(以下「障がい」と総称する。)がある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

(2) 社会的障壁 障がい者が日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(3) 障がいを理由とする差別 障がい者に対し、障がいを理由として、不当な差別的取扱いをすること又は社会的障壁の除去の実施について、それに伴う負担が過重でない場合に、必要かつ合理的配慮をしないことをいう。

(4) 合理的配慮 障がい者(障がい者がその意思の表明を行うことが困難である場合にあってはその家族等)の求めに応じて障がいのない人と実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むために必要かつ適切な措置を行うことをいう。ただし、その実施に伴う負担が過重になるものを除く。

(5) 事業者 村内において商業その他の事業を行う者をいう。

(6) 村民 村内に居住又は通勤している者をいう。

(基本理念)

第3条 第1条に規定する共生社会の実現は、次に掲げる事項を基本とする。

(1) 全ての村民は、障がいの有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されること。

(2) 障がいを理由とする差別の多くが障がい者に対する理解の不足から生じていること及び誰もが障がいを有することとなる可能性があることを踏まえ、全ての村民が障がい及び障がい者に対する理解を深める必要があること。

(3) 全ての障がい者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。

(4) 全ての障がい者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。

(5) 全ての障がい者は、可能な限り言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されること。

(6) 村、村民、事業者は、社会的障壁を取り除き、共生社会を実現させるため、互いに協力して障がい及び障がい者に対する理解の推進に取り組むこと。

(村の責務)

第4条 村は、前条に規定する基本理念にのっとり、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) 障がい及び障がい者に対する理解を深め、共生社会の実現に向けた施策及び合理的配慮の提供のあり方について積極的に調査及び研究を行うとともに、率先して合理的配慮の提供を行うこと。

(2) 地域社会において、障がいの有無に関わらず村民が互いに理解し、多様性を認めて支え合い、安心して暮らすことができるようにするため、村民、事業者等が合理的配慮の提供を行うための支援を行うこと。

(3) 障がいを理由とする差別の解消の意義及び基本理念に対する村民の理解を深めるため、村民及び事業者の協力を得て、障がいの理解に関する取組及び学校等で人権に関する教育をさらに推し進めるための取組を行うこと。

(4) 障がいを理由とする差別の解消に関する相談を受け、紛争解決に向けて必要な支援を行うこと。

2 村は、前項各号の規定により計画した施策を推進するため、予算の範囲内において、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(障がい者計画との関係)

第5条 村は、第3条の基本理念に基づく障がい者のための施策について、大玉村障がい者基本計画(法第11条第3項の規定に基づき策定された計画)に基づき定めるものとする。

(協議の場の設置)

第6条 村は、第4条に規定した施策を効果的かつ円滑に行うため、障がいを有する当事者、福祉団体、就労支援機関、教育機関その他村が必要と認める関係機関等により構成される協議の場を設置することができる。

(村民の責務)

第7条 村民は、第3条に規定する基本理念に対する理解を深め、合理的配慮の提供をはじめ、障がいを理由とする差別の解消に関する取組の普及及び啓発を村と協力して取り組むよう努めるものとする。

2 障がい者及びその家族、成年後見人、保佐人、補助人その他の支援者等は、合理的配慮の提供が必要なときは、その内容について周囲に伝えるよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第8条 事業者は、第3条に規定する基本理念に対する理解を深め、合理的配慮の提供をはじめ、障がいを理由とする差別の解消に関する取組の普及及び啓発を村と協力して取り組むよう努めるものとする。

(広報及び啓発)

第9条 村は、村民及び事業者が障がい及び障がい者に関する正しい理解を深め、その特性に応じた適切な意思疎通を通して共に生き支え合う村となるよう、広報及び啓発等必要な施策を実施しなければならない。

(相談及び対応)

第10条 障がい者及び障がい者の保護者等は、障がいに関する事案に関し、村に相談することができる。

2 村は、前項の規定による相談を受けたときは、次に掲げる事務を行うものとする。

(1) 障がい者及びその家族又は、成年後見人、保佐人、補助人その他の支援者等への事実の確認

(2) 障がい者及びその家族又は、成年後見人、保佐人、補助人その他の支援者等への必要な助言及び情報提供

(3) 関係機関との連絡調整

3 村は、前項に掲げる事務の全部又は一部を、「障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第77条第1項第3号に掲げる事業の実施を委託している者に委託することができる。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し、必要な事項は、村長が規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

障がいのある人もない人も共に生きる大玉村づくり条例

令和4年6月17日 条例第11号

(令和4年6月17日施行)