【佳作】皆が嫌な思いをしない、居心地の良い社会とは 大玉中学校2年 武田栞奈

皆が嫌な思いをしない、居心地の良い社会とは
 
大玉中学校2年 武田栞奈
 
 
 皆が嫌な思いをせず、居心地の良い社会とはどんな世の中だろうか。私は、苦しむ人がいない思いやりで溢れている、そんな世の中が、嫌な思いをせず、居心地の良い社会だと思う。
 今の世の中は、居心地が良い社会とは言えないと思う。なぜなら、ネットでの誹謗中傷が絶えず、いじめや新型コロナウイルスのせいで辛い思いをしている人がたくさんいるからだ。なぜ、誹謗中傷・いじめ・差別などで苦しむ人がいなければならないのだろう。誹謗中傷は、匿名で書き込めばバレない?他人も書き込んでいるから大丈夫?いじめや差別も、バレなければ大丈夫?いじめや差別をされている人が我慢していれば良い?そんな事はない。軽い気持ちで誹謗中傷・いじめ・差別をするのは間違っている。
 実際、私は一人の友達に相談された事があった。
 「実はさ、クラスの人にいじめられて、笑われたりしてるけど本当は全然嬉しくもないし嫌なんだよね。」
 私はその話をされた時、心が痛んだ。その人はクラスの人の前では皆に笑われると自分も笑って楽しそうにしている。でも、皆と一緒に笑っているのは楽しいからじゃない。嫌だけど皆に合わせて笑っているだけだった。『いじられキャラ』が『皆から好かれる人』ではないことをこの時改めて感じた。
 相談をされてから少したった頃、私も同じような経験をした。授業中先生にあてられ、答えようとすると一人の男子が変なあだ名を付けてきた。すると、周りにいた人達は笑い出し、すごく嫌な思いをした。相談してきた友達と同じような経験をした私は、その友達の気持ちがよく分かった。授業が終わった後私はあだ名をつけてきた人に、「さっき、何であんな呼び方したの?」と聞いた。するとその人は、「あー、あれは冗談だよ。ごめんね。」と軽い口調で言われた。その時、すごく腹が立った。私は真剣に聞いているのに、軽く流されたこと。本人は、私が嫌な思いをしている事に気づいていない様子だったこと。ものすごく腹が立ったし、この人は自分が同じことをされないとどんな気持ちになるのか、分からないのだと思った。人にあだ名をつけられて、喜ぶ人も、もちろんいると思う。だがあだ名をつけられた人全員が、喜ぶわけではない。もっと相手の事を考えて、言葉を発してほしかった。だから謝られた時に「軽く流されないでもらえる?私は授業中すごく嫌な思いをしたの。分からないかもしれないけど、何も面白くなかったし不愉快だった。」と、勇気を出して少し強めの口調で話した。本人は、少し驚いていたがその後にきちんと謝ってくれた。そして、私が話している時に聞いていた一緒に笑っていた人達も謝ってくれた。それからは変なあだ名で呼ばれることも無くなった。私はあの時勇気を出して、本当の気持ちを伝えて良かったと思っている。
 私に相談してきた友達に、勇気を出して自分の気持ちを伝えてみたら?と話した。それから、友達は自分のことをいじってくる人に嫌だと伝えることができたそうだ。自分の気持ちを伝えてからは、いじられたり、笑われたりすることが無くなったと言っていた。
このように、自分の気持ちをしっかりと伝えることが大切だと改めて感じた。誹謗中傷や、いじめや差別などで苦しむ人が一人で抱え込む必要は無いし、もっと周りに助けを求めるべきだ。苦しんでいる人が近くにいるなら、話を聞いてあげたり一緒に解決策を考えたりすることが、助けることにつながると思う。苦しんでいる人も、勇気を出して「SOS」のサインを出してほしい。絶対に周りにいる友達や家族が助けてくれる。
 みんなが、嫌な思いをせず、居心地の良い社会を創るには『勇気を出して、助けを求める』ことや、助けを求められた人は、『助けるためにできることをやる』ことが大切だと思う。誰にでもある「思いやりの心」をたくさん使ってほしいし、相手の立場になって考えてから発言したり行動したりしてほしい。
 最後に、私は必ず困っている人や助けを求めている人、苦しんでいる人に対して冷たく接しない。一緒に考えて、一緒に悩んで、皆が嫌な思いをしないためにも、出来ることは全てやる。それが、私の考える、『皆が嫌な思いをせず、居心地の良い社会』を創る大きな一歩になると思っているからだ。
 
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