【佳作】私が望む未来 大玉中学校2年 佐藤悠天
私が望む未来
大玉中学校2年 佐藤悠天
「また尊い命が亡くなりました。」とよくニュースで耳にします。そのニュースで多く聞かれるのは、幼児虐待です。その内容というのは、親が自分の時間を優先して、炎天下の中、車内に子供を放置し脱水状態で亡くなること。子供が泣きやまないという理由で、子供に暴行を加え亡くなること。子供が言うことを聞かなかったからと罵声をあびさせ、しつけと称して虐待し、亡くなること。そして、子供に十分に食べ物を与えず、栄養失調で亡くなること。子供は、空腹をしのぐために、ゴミを食べていたと聞くと心が張り裂けそうな気持ちにさえなります。人間は、殺されるために生まれてきたわけではありません。子供にとって、大人は絶対的な存在であり、子供は大人の指示を守り、純粋に続けようとするのです。
私にも、忘れることのできない一経験があります。私が小学二年生の時のことです。担任の先生に「これはどういうことですか。」と分からない所を先生に質問した所、「こんな問題も分からないんですか。」と言われ、ものさしでたたかれました。しかし、当時の私は「先生は正しい」「僕が分からなかったせいだ。」と自分を責め、そう思っていました。もちろん、たたかれたことすら気にしていませんでした。親との会話で、学校であったことを話したときに、先生の行為は間違っていたと思い知らされました。分からないところを教えてもらうのが学校であり教育であること。答えは、子供の数だけ無限にあることを、私は、いろいろな先生に出会い、大人でも分からない人もいるのだということを知りました。
私は、相談することができたので気付くことができましたが、うまく言葉が話せない方や誰にも相談できずに苦しんでいる人が、この世の中にどれほどの人がいるのだろうかと考えさせられました。
私には、小学二年生の弟と0才の弟がいます。年が離れている一番下の弟は、言葉も話せず、泣くことで表現するのです。あやしてもあやしても、泣きやまないことは度々あります。空腹でミルクがほしい時、オムツがぬれている時、遊んでほしい時、何でもない時でも、一日何回も泣いて訴えるのです。母は「赤ちゃんは泣くのが仕事」と泣いている弟に優しく声をかけ、泣き声で何を訴えているのか分かるようで、私には不思議で仕方ありませんでした。母の姿を見ただけで、泣き止むこともあります。それは、お互いが信頼関係でつながっているようにも感じます。また、そのような関係になるまで、母は大変な思いをしたと思います。自分の時間などはなく、弟の世話はもちろんの事、寝ずに過ごし私たち家族の食事の支度から掃除や、洗濯と家事をこなした上に、子供に愛情を注ぐ姿に母の偉大さを感じます。母が忙しい時は、自分でできることを探し、なるべく母を支えられるように手伝い、サポートに徹しました。母は「ありがとう。助かるよ。」と感謝してくれます。
幼児虐待を防ぐ、大切なことは、まず親へのサポートだと思います。寝ずに過ごすことで精神的にも肉体的にも奪われ、正常な判断さえもできない事があるかと思います。また誰も傍にいなくてどうしたらいいか分からないときは、第三者に頼ること、助けを求めることだと思います。第三者は、家族でも、友人、祖父母、地域保健所に、まずは声をあげることで、子供の命が助かる可能性が高くなると思います。
虐待を受けた子供たちは、とても辛く、苦しい、そんな記憶が消えぬまま、長い一生を送らないといけないのです。虐待をしている親をただとめるだけでは、その場限りでまた同じことを繰り返すことにつながりかねないのです。だから、親へのサポートが不可欠なのです。一人一人の命が、かけがえのない存在であり、一人一人が命について大切だということを認識し、生まれながらにして、一人の人間として生きていく権利があるということを、十分に理解してほしいと思います。自分の思い通りにならないと、ストレスがたまり、キレる、度が越えると、人を殺してしまうのです。お互い思いやる気持ちがあれば防げる、守れる命もあります。
一人で苦しみ、悩み続けた結果、知らず知らずのうちに、虐待していたり、虐待だと感じずに、言葉の暴力、力の暴力をしてしまったりするケースもあるようです。だからこそ助け合う、支え合うことが大切なのです。大人になると、子供のようにしかってくれる人がいません。だから、しかられることではなく、ほめられること、認められることをしてください。このような行動が増えれば、たくさんの幸せと笑顔が増えるはずです。
世界中のみんなで一緒に、この世の中にハートをたくさんつくりましょう。
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