【佳作】わたしのお兄ちゃん 玉井小学校5年 遠藤一華

わたしのお兄ちゃん
 
玉井小学校5年 遠藤一華
 
 「自閉症」という症状を知っていますか。わたしのお兄ちゃんは「自閉症」です。自閉症は、コミュニケーションをとるのが苦手だったり、発達におくれが出たりするしょうがいだそうです。
 お兄ちゃんは、話をするのが苦手なので、自分の言いたいことを相手にうまく伝えられなくて、人をたたいたり、自分をきずつけようとしたりすることがあります。本を読むことも苦手です。お兄ちゃんは苦手なことがたくさんあるけど、でもそれと同じくらいとく意なこともたくさんあります。
 例えば、好きなキャラクターのことを覚えたり、漢字の書き順を数えることや計算がとても速かったりします。一度通った道はだいたい覚えていて、いつ通ったのかまで覚えています。だから、わたしが知らないことを知っていてすごいな、と思います。
 しかし、夏休みのある日、こんなことがありました。一人の男の子がわたしの所にやってきて、「お兄ちゃんってバカなの。」と聞いてきました。わたしは何も考えずに、「うん。」と答えてしまいました。そのことをお母さんに話すと、お母さんは男の子に対して、とてもくやしく、悲しい気持ちになったそうです。わたしに対しては、どういうふうにお兄ちゃんのことを教えればいいのか、なやんだそうです。
 その後お母さんは、たん任の先生に相談したそうです。すると先生は、「お兄ちゃんは、天才なんだよと教えてあげてください。気づかいのできるやさしい子ですよ。」と言ってくださったそうです。お母さんは、そんなかん単なことでよかったんだと思い、とてもうれしかったし、安心したそうです。
 その話を聞いてわたしは、また同じことを聞かれたら、「お兄ちゃんは、天才なんだよ。」と答えたいです。お兄ちゃんはとく意なことがたくさんあって、すごい人なんだということを、いろんな人に知ってもらいたいと思います。そうすれば、お兄ちゃんだけでなくわたしたち家族もうれしい気持ちになると思います。
 しょうがいのある人もない人も、同じ社会の仲間です。どうしてしょうがいがあるだけで、いじめられたり、仲間外れにされたりしなければならないのでしょうか。仲間外れをなくして、みんなが助け合いながら過ごしていければ、みんなが幸せになれると思います。差別をしないで、相手の良いところを見てほしいです。
 あの時、お兄ちゃんへの思いやりがなかった自分がはずかしいです。そして、その発言で悲しい思いをする人がいることを知りました。だから、これからは相手のことを考えた行動ができる人になりたいです。
 
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