【特選】差別への理解を 大玉中学校1年 渡邉ひめ乃

差別への理解を
大玉中学校1年 渡邉ひめ乃
 
 新型コロナウイルスが流行し始まってから約二年になり、毎日のように新型コロナウイルスに関するニュースを目にします。その中で私が気になった事は感染による差別が存在するということです。感染者が増え続ける今も、なかなか解決されないのはなぜなのか、私なりに考えてみました。
 調べてみると、様々な差別の事例がある事が分かりました。感染したことを理由に仕事を解雇されたり、職場で感染者が出たことを理由に、子供の保育園等の利用を拒否される等の差別がありました。なかでも、私と同じ学生の事例というと、感染が発生した学校の学生やその家族に対して店の来店を拒否されるというもの等がありました。
 これについては私は、したくて感染したわけではないのにどうしてこのような事が起こってしまうのだろうかと思いました。
 さらに細かく調べてみると、SNSを使った差別があるという事が分かりました。感染者個人の名前や行動を特定し、SNS等で公表・非難するという差別もありました。
 また、このような差別的な行動は、皆の不安をあおり、感染が疑われる症状が出ても、自分もこうなってしまうという不安から、検査を受けず結果的に感染が拡大してしまうという事もあるようです。
 母から、今までにも日本では、感染症による差別があることを教えてもらいました。私は、全く知りませんでしたが「ハンセン病」という病気があることを知りました。今は、治療法もあり、完治が可能ですが、昔は、患者が家族から引き離されて国が強制隔離した事により、「強い感染力をもった恐ろしい病気」と誤ったイメージが定着し、そこから差別へと発展したそうです。
 ハンセン病について、私が感じたことは、まず望んでもいないのに感染してしまった人への対応がひどいという事です。一つの感染症だけでこんなにも人への対応が変わり、人を傷つけている事です。昔から、病気一つだけで対応が変わってしまう事は今になっても変わらないのだなと思いました。
 調べていくと、感染症に関する差別は他にもエイズ、肝炎等がありました。どれもみな知識や理解の不足から始まって、日常生活や社会生活の様々な場面で差別などの人権問題が発生しています。
 私は、小学生の時に社会の授業で日本国憲法の「基本的人権の尊重」について学習しました。基本的人権の尊重とは、人間が人間らしい生活をするうえで、生まれながらにしてもっている権利のことを言います。日本国憲法では「基本的人権は人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」によって確立されたものであり、「侵すことのできない永久の権利」として保障されています。つまり、人間がもつべき一番土台となる権利であり、人種・性別・身分などによって差別されないということです。
このことから、新型コロナウイルス感染を始めとする様々な感染症による差別はあってはならないということが分かりました。
 差別が生まれる背景には、感染症に対する正しい知識を持たないことが原因としてあると思います。
 調べた資料のなかで、「社会に対し、恐れるべきはウイルスであって人ではない。」「病気を理由に人を差別したり、職業や属性だけでレッテルを貼って、排除したりすることは絶対に許されない。」というメッセージを見ました。
 それらは、当たり前の事ですが、私はその当たり前のことについて知識が欠けている部分がありました。新型コロナウイルス感染症の事は連日のニュースなどで理解しているつもりでした。しかし、今回調べてみたら、感染症による差別がどれだけひどい事か理解ができました。
 差別について調べてみると、様々な差別があることがわかりました。けれど、差別をあたりまえにしてはいけないと思いました。差別を失くすには自分の身近な事から気にかけていき、小さな差別から失くしていくことが大切です。今回調べた差別についての知識をきちんと頭の中に入れておき、知識が足りてない人がいたら教え、差別への理解を持っている人が増えて、少しずつでもいいから、差別が減って傷つく人を減らせることができればいいなと思います。
 コロナウイルスの感染は、いつかは分かりませんが終息は必ず訪れると思います。そのときに、差別という考えも、みんなの心から消えることを願っています。
 
このページの情報に関するお問い合わせ先
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137