【優秀賞】素直におめでとう 大山小学校5年 遠藤愛呼

素直におめでとう
 
大山小学校5年 遠藤愛呼
 
 
 「たっ球混合ダブルスで、日本史上初の金メダルを取りました。」アナウンサーの、興ふんした声と一緒に、選手がだき合ってよろこんでいる映像がテレビから流れました。どきどきしながら応援していた私も、うれしくなって、思わず、「日本が勝ったぁ。すごい。おめでとう。」と声をあげて、よろこびました。
 でも、その数日後、私はとても悲しい気持ちになりました。なぜなら、この間、メダルをかくとくした、たっ球の水谷選手のSNSに、外国の人達から、悪口のダイレクトメッセージが送られているというニュースを見たからです。届いたメッセージには、「死ね」、「くたばれ」、「消えろ」など、ひどい言葉が書かれていたそうです。水谷選手だけでなく、サーフィンの選手、体そうの選手、テニスの選手にも同じようなメッセージがあったそうです。私は、せいせいどうどうと試合をして勝ったのに、どうして「おめでとう」と言えないのだろうと思いました。くやしいのは負けた選手なのにどうして応援している人が勝った選手の悪口を言うのか不思議です。私だったら、みんなに「おめでとう」と言われたいし、ほめてもらいたいです。
 ふと、私がまだ小さかった時に、習っていた書道教室のコンクールで賞を取れなかった時のことを思い出しました。くやしくて「私だって上手だったのに。」「みんなばかりずるい。」と泣きました。それを聞いていたお母さんに「自分が賞を取れなかったのに、他の人の事を悪く言うのは、ちがうんじゃない?」としかられました。みんなも、たくさん練習して賞をもらった事を分かっていたけれど、くやしくて、よく考えずに、ついつい悪口を言ってしまいました。オリンピック選手にメッセージを送った人も、軽い気持ちでひはんの言葉を送ってしまったのかもしれません。どの国の選手も一生けん命競技していました。そういう人達に、「よくがんばったね」と言えない事は、さみしいことだなと思いました。
 今は、自分の気持ちをかんたんに世界中の人に伝えられる時代です。言われた相手の気持ちを考えてから、言葉にするべきだったと思います。軽い気持ちで言った言葉が人をきずつけてしまうことが多くあります。
 水谷選手は、そんな言葉に対して「オレの心は一ミリもダメージはない。」と、投こうしたそうです。とても心の強い人だと思いました。でもきずついた選手はたくさんいたはずです。くやしい気持ちがあると、相手のがんばりをみとめることがむずかしい時があります。だけど相手をみとめると、自分も今度こそがんばるぞという良い気持ちになります。だから私は、素直に「がんばったね」、「おめでとう」を言える人になりたいです。
 
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