【佳作】 個性・思いやり・命の大切さ 大玉中学校3年 武田実久
個性、思いやり、命の大切さ
大玉中学校3年 武田実久
「え、なんて?」と言われることが多くあります。私は、声が小さくて二回言うことがほとんどです。自分では大きく出しているつもりだけど、その声はなかなか届きませんでした。
私は、一人の人間として生まれてきました。みなさんもそうだと思います。世界でたった一人しかいない“自分”について詳しく考えてみました。一人一人違う個性や癖などをもっていることに気づきました。私の声が小さいのも一つの個性ととらえることができます。ですが、その個性を好きにはなれません。そういう人もいるのではないでしょうか。好きになれない個性をイジられたりすれば、人は傷つきます。
私にもありました。身長が小さい私に、「みくちゃんは、小さくて良いよね。」と言われました。私はなりたくて小さくなったわけでもなく、この身長でいるのに、あの一言が私の心を黒くしました。小さくても良いことも悪いこともあります。それは、身長が高い人たちにとってもあると思います。人それぞれの個性を尊重していくことがお互いに傷つかないような平和な世界になっていくのではないかと考えました。
個性とはまた別な思いやりの気持ちも大切になってくると思います。そもそも、思いやりとはどんなことをいうのでしょうか。人を助けたり、支えたりすること。そう考える人が多いでしょう。私もそう思います。しかし、私は思いやりに失敗してしまったことがあります。
ある日、私は母と一緒に買い物に行きました。車で行っていたあの日は、暑い夕方頃でした。買い物に向かっている途中、一人のおばあさんがいました。そのおばあさんは、自転車のかごぱんぱんに2Lの水を積んで、自転車を押していました。とても重かったのか、ゆっくりと歩いていました。そこで私は、手助けをしようとしましたが、その日は交通量が多く、車を止めることができる状況ではありませんでした。私はもやもやして家に帰りました。あそこで私が助けていたら…。とずっと思っていました。私自身、あまり勇気が出ずに行動をしないことが多かったのですが、これを機に考えてみました。
まず、手助けをしたことについてです。若い人が一人とおばあさんが一人いたとします。若い人がおばあさんのことを手助けすれば、おばあさんはうれしくなり、若い人も良い気分になれます。しかし、手助けをすることができなかったことについては、おばあさんは大変ですし、若い人ももやもやしてしまいます。お互いに良い気分にはなれません。
このことから、大変な人を見かけたら、勇気を出して行動することが大切なのだと思いました。お互いが良い気分になれるような、良い環境をつくりあげていこうと思います。
最後に、私は“命”について考えました。人生に一度しかない、一つだけの“命”をどのように思っているかです。たまにケンカをするときに、「○○するんだったら死んだほうがマシ」や「死ね」などの言葉が聞こえます。言う人は簡単です。たったの2文字を言うだけです。しかし、どうでしょうか。言われている人は、たったの2文字で生死を決めるような気持ちになってしまいます。“命”という一つの重いものを一瞬にしてなくなってしまうと考えると、言葉の重みがよく分かります。
ネットでよく騒がれる誹謗中傷。根拠のないことを言って、他人の名誉を傷つけること。ネットだと、誰か分からない人からコメントで悪口をかかれたりします。簡単に文字を入力するだけで、傷つけてしまいます。一人の言葉で死におちいることだってあります。このような社会をどう変えていくのか。ネットの使い方を一人一人が考えなおしていくことが大切だと私は思います。
このように、三つの“個性”“思いやり”“命の大切さ”について私は考えました。この全てのことが、これからを生きていく若い人たちには大切だと思います。声が小さく、身長が小さい私にだって、思いやりの心は持つことができます。一人の行動が誰かを救えるようになれば、犯罪がなくなり、平和な世界になっていくのではないかと思います。また、誹謗中傷などで死においこまれる人がいなくなるように、人の気持ちを考えて行動できる人が増えてほしいと願っています。“命”は一度きりの大切なものなのだから。
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