【優秀賞】 私の兄 大玉中学校2年 佐原凜

私の兄
大玉中学校2年 佐原凜

私のお兄ちゃんは障害をもっています。その障害とは、字が書けなかったり言葉が通じなかったりそれによって行動できなかったりすることです。そして、何かを説明してもどうしても理解できないのです。私はがまんする時もあるけど、とうとう怒ってしまいケンカになってしまいます。お兄ちゃんは私のせいにする時もあるのでイライラして、その事をお母さんに言いつけてしまいます。でも、そのお兄ちゃんの障害の意味を分かっていない私も悪いと思います。夜遅くまでケンカをして、言い争いをして朝早く起きたくても寝不足になってしまうこともあります。だけど、今年になってからはケンカはあまりしなくなりました。伝えたいことを分かりやすくお兄ちゃんに言うようにしたり、書けない文字も書いてあげたりします。

障害は、字が書けなかったり、言葉が通じない、こういうことだったんだと思いました。もし、私にも障害があったら、お母さんやお父さん、お兄ちゃんは私をあらゆる面でケアしてくれたと思います。一人ではできない事をたくさん変わりにやってもらうと思います。ケンカもいっぱいあったけど、今はお兄ちゃんと仲良くできて良かったです。これからは、自分で気づいた時に、お兄ちゃんの手助けをしてあげたいと思います。

障害は、一生続くのかもしれません。そうするとお兄ちゃんは、ずーっと誰かに助けてもらわなければなりません。

色々な人に迷惑をかけることになると思います。何年か前の私だったら、嫌だな、迷惑だなって思ったかもしれません。でも、お兄ちゃんの気持ちや障害についてだんだん分かってきたら、強い人が弱い人を守ることは当たり前なのかな、と思うようになってきました。またよく分かりませんが、障害のあるお兄ちゃんは普通の人達が出来ることが出来ないという意味で弱い人なのでしょう。お兄ちゃんは、自分でできることは自分でやり、できないことは大いばりで色んな人達に助けてもらっても良いと思います。

そこで私は日本国憲法の中で、お兄ちゃんのような障害者を守ってくれる憲法があるかどうか調べてみました。どうやら、すべての人々が人間らしく生活できるようにする生活の基本を保障する「社会権」の中にありそうでした。

社会権の中には「生存権」というものがあります。これは、社会権と代表する権利で、すべての国民に、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障するものです。そのため、国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上や増進に努めなければならないとありました。これを読んで、私は、「健康で文化的な最低限度の生活」がどんなものを言うのか気になって、さらに調べてみました。国の文化水準は、たえず変化しているので、どの程度の生活水準が憲法第二十五条のいう「健康で文化的な最低限度の生活」であることか確定することはむずかしいです。たとえば、一九五七年から争われた「朝日訴訟」や、一九八二年ごろに争われた「堀木訴訟」において、生活保護や障害福祉年金、児童扶養手当などの社会保障制度の運用が憲法第二十五条の精神に違反しているとの訴えがありました。いずれも、最高裁判所判決では、「第二十五条は、具体的な権利水準を示したものではなく、方向性と国の責務を示したプロセス規定であり、具体的な基準は厚生労働大臣の判断にまかせる」との内容でした。私はさらに「プログラム規定」について調べてみました。それは、国の努力すべき政策、施策の基本的な目標を指示しながら、その具体的な内容については立法権、行政権の裁量に委ねるという性質を持つ規定、とありました。さらに理解できなくなってきた私は、法律に詳しい叔父にたずねました。簡単に言うと、日本は社会主義国家ではなく資本主義国家であるから、あくまでも「自分でやり抜いていく」のである。そして、どうしてもそれがかなわなくなった時に、社会的不平等が生じた時に、はじめて、国家が助けることだよ。でも、つきつめればそれは、生存権の規定は、具体的な権利を導くものではないとの見方もできるよ。と言っていました。どうしても私には納得できませんでした。もし、お兄ちゃんの家族がいなくなってしまって、たった一人になってしまった時に、「彼なら一人でもやっていける」という判断をされてしまったら、お兄ちゃんはどうなってしまうのでしょう。「生存権」という重い言葉の権利なのですから、もっと明確に細かく憲法で定めなければならないのではないでしょうか。でなければ、お兄ちゃんのような障害を持つ家族は、安心して生活していけません。

私は、今回の作文で、少しではありますが日本の憲法に興味を持ちました。これから、少しずつですが、憲法についてさらに勉強していこうと思います。
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