【佳作】誹謗中傷のない世の中へ 大玉中学校3年 会田朱里

誹謗中傷のない世の中へ
大玉中学校3年 会田朱里

今年は、フランスの都市パリでオリンピックが開かれました。パリでは100年ぶりの開催や有名な世界遺産があるため、私も楽しみに待っていました。 開会式が行われたセーヌ川では会場だけではなく、ネット上でも盛り上がっていました。早速オリンピックが始まると、柔道やレスリング、体操などの日本の“お家芸”と呼ばれているスポーツなどで次々とメダルを獲得していました。 また、スケートボードでは自分と同い年の吉沢恋選手が金メダルを獲得していてすごいなと思って見ていました。 しかし、嬉しいことがあった反面、選手に対しての誹謗中傷が絶えないというニュースを見て、私は悲しい気持ちになりました。それは、男子バレーの準々決勝のイタリア戦の第5セットで、小野寺選手がサーブミスをしてしまい結果はイタリアに惜しくも負けてしまいました。 これに対し「サーブミスとかゴミ」「素人でもクソだとわかる」などと批判したコメントがsnsに投稿されていました。 また、選手だけではなく、審判にも誹謗中傷のメッセージがありました。それは、柔道の永山竜樹選手がスペインの選手との準々決勝の際、審判の「待て」がかかっていたが、相手は締め技を続けていたため、永山選手が抗議をしましたが、判定は変わらず日本が負けてしまいました。 私は、この試合をテレビで見ていてその判定が出たときは「今の判定はおかしいでしょ」とつい言ってしまった。 後日、その審判に対して「誤審だ」「下手くそ」「やめてしまえ」などのコメントがあったそうです。それに対し、永山選手は自身のインスタグラムに「審判の方も判断の難しい状況だったと思います」とコメントされていました。それを聞いたとき、ふと自分が部活をやっていたときのことを思い出しました。 大会で自分が正審をしていた時、「 アウト」と言ったら選手に「今のは入っていましたよね」と聞かれ、その学校の顧問の先生にも「今のは入っていたでしょ!」と怒鳴られたことがありました。「別にわざと間違えたわけじゃないのに」と落ち込んでいたら友達が「人間だし間違えるのは普通だから気にしなくていいんだよ」と励ましてくれました。あとから考えてみると、審判の人もわざと判定したわけではないと思い、またそれを受け止めてくれる人もいるんだなと安心しました。 小野寺選手は自身の誹謗中傷に対し、「それほど僕たちの試合を応援してくれた人が多かったんだなと感じています」と前向きにつづっていて、とても心の強いかっこいい人だなと思いました。しかし、世の中には誹謗中傷が原因で自ら命を絶つ人も少なくありません。よく聞く事件は、ネット上で顔も名前も知らない人からの悪口を言われるといったことです。今ではいろいろな人がネットにつながることができる電子機器を持っていて、簡単にネットに自分が書きたいことを書き込むことができます。 なので、軽い冗談で書いたことが結果相手を傷つけることになってしまいます。私も冗談のつもりで 「バカじゃないの」と言って相手を傷つけてしまったことがあります。そのときは冗談で言っただけなのにと思っていたけれど、よく考えてみると自分が相手の立場だったら、冗談か本当かの区別はつきにくいし、実際に言われたら傷つくし悲しい気持ちになります。それからは、言葉を話すときには相手が傷つく言葉ではないか気をつけて話しています。

「命は一度失うともう二度と取りもどせない。ゲームのようにやり直しはできない」これは小学校の先生が教えてくれた言葉です。ゲームのようにやり直しはできないから、その1つしかない命を大切にして、1日1日を生きようという意味です。私はこの言葉を胸に刻み、自分の命を大切にするのはもちろん、他人の命を奪わないようにするために、人と関わる時には相手の気持ちを考えて話そうと思います。 また、全員が相手の気持ちを考えてから行動できるようになり、誹謗中傷のない世の中になっていってほしいと思います。
 
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