【優秀賞】誰もが自由に生きられる世界へ 大玉中学校1年 斎藤愛生

誰もが自由に生きられる世界へ
大玉中学校1年 斎藤愛生

夏休み中、プールの更衣室で荷物の整理をしている時の事。 近くにいた小学生の女の子2、3人が小さな声で「あの子って絶対男の子だよね。 」「なんでここで着替えてんの。」「変な人だね。」と言っているのが聞こえました。そう言われた時、驚きの気持ちと焦りの気持ちで頭がいっぱいでした。 その子たちは着替えが終わっているのに私のことをずっと見ていたので、 だんだん恥ずかしくなり、急いで準備を終わらせてすぐに更衣室から出ました。しばらくしてからも、あの子たちの言葉が忘れられず、今でも昨日のことのように覚えています。ですが、 その時の私の髪や服装からして、そう思われてしまうのも仕方ないことだとも思います。その日は部活終わりだったので、 学校のハーフパンツに白い服を着ていました。それに加えて髪も短く、前髪は眉毛くらいまで短かったからです。
このことを友達に相談すると、「女です」と言えばいいということを言われました。確かにそうだと思います。でも、 なんだか少し違う気もしていました。

私が髪を短くしたのは、小学生の時に習っていたバレーボールに全力で打ち込みたいという気持ちがあったからでした。髪を短くしてからカッコよくなりたいという気持ちが増えてきて、気づいたら男性として生きたいと思うほどでした。 そうなってから、自分が周りと違うことに気づいて、自分に自信が持てなくなっていました。そんな時に出会ったのが「女子サッカー選手です。そして、彼女がいます。」という本です。 最初は絵柄が可愛くて手に取ったのですが、題名をよく読んでみると女性とわかっていて、彼女がいると気づき、 気になり少しだけ読んでいました。読んでいくと、作者さんの写真がのっていました。最初は男の人に見えましたが、だんだんと本当は女の人だと気づきました。 髪はパーマをかけていて、すごくかっこいい人でした。 ですが、小さい頃、本当はかっこいいものが好きでしたが、親が「女の子なんだから」と言い、可愛い服や物を買わされていたそうです。この作者が少し自分と似ていると思い、この本を借りて家でじっくり読みました。
この本では、さっき話したような話を元にLGBTQという言葉を紹介しています。LGBTQとは 性の言葉の頭文字で、Lはレズビアンと言い、女性として女性を好きになる人。Gは ゲイと言い、男性として男性を好きになる人。Bはバイセクシュアルと言い、女性も男性も好きになる人。T、トランスジェンダーと言い、本当の性別と自分の思う性別が異なる人。 Qはクエスチョニングといい、自分の性が決まっていない人。このような人が日本では10人に1人と言われていて、意外と多いです。 この本の作者さんで考えると、レズビアンと思う人もいると思いますが、作者さん本人ではクエスチョニングと言っています。自分は女性でも男性でもないと話していました。

そして、自分をLGBTQにあてはめてみましたが私は、LGBTQではないことがわかりました。この本で調べてみると、私はF+Mだとわかりました。F+Mとは、女性だけれど男性として生きたい人に当てはまります。まさに私です。ですが、このことを変だと思う人もいると思います。実際に「やめなよ」と言ってくる友達もいました。 最初に話した女の子たちのように、私のことを男の子だと思う人もいました。 でも、なんだかこれからの人生、すごくわくわくしてきました。高校ではスカートかズボンを選べる高校が増えてきているそうですし、大人になったら今よりも、少しは自由になると思っているので楽しみです。
私は今でもすごく自由な人生だと思います。 なぜなら、お母さんが私のことは私の好きにさせてくれるからです。 作者さんの親のように「女の子なんだから」などと、一度も言われたことがない気がします。今までだけでも自由な人生です。ですが、私のような人で親に「女の子なんだから。男の子なんだから」と言われている人がたくさんいると思います。 でも、100人中100人が否定するわけではないです。だからといって、100人中100人尊重するわけでもないです。1人くらいは必ず否定する人がいるでしょう。でもその人は、あなたがどれだけ悩んでいるか知らないだけです。 このような人が私の作文でLGBTQの人が世界にたくさんいることを知ってもらい、 誰もが自由に生きられる世界になるといいなと思います。
 
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