【佳作】傷ついた僕の心 大山小学校6年 武内大夢

傷ついた僕の心
大山小学校6年 武内大夢

みなさんは自分の体できらいな所はありますか?例えば目が細いからきらいとか、手の指が短いからきらいとか、自分の力では、どうすることもできないような事です。僕はそれを言われるまでまったく気にしていなかった所があります。それはあごです。
僕のあごは真ん中に縦に線が入っていて見た目が割れているように見えます。でも全ぜん気にしていませんでした。気になるようになったのは、ある日学校で友達にとつぜん指をさされ「けつあごだね。」と言われてからです。その時すごくはずかしくなり、そして気になって鏡を見に行きました。
けつあご?って何?あごが割れて見えるからと僕は悩むようになりました。家に帰りお母さんに僕は「けつあごと言われた。これってなおらないの?なんで、こんなあごなの?」と聞きました。お母さんはすごく困った顔をして「生まれた時からそうだったんだ。なんでかはお母さんにも分からない。」と言われました。
生まれた時からそうなのだからどうする事も出来ないのはわかりました。体じゅうが重いならやせる努力をすればいいし、服にかくれる所ならかくせばいい。でもあごはマスクをする事くらいしかできないし、大きくなったらもっと形が変わってくるかもしれない。僕はそれまで気にしてなかったのに友達に言われてからずっと気になってイヤな所になってしまったのです。

その後もべつの友達に「けつあご」と言われたことがあり僕は頭にきて「言うな。」と怒ってしまいました。家に帰ってお母さんに話すとお母さんはかなしい顔をして、僕をギュッとだきしめました。僕はわかっていました。お母さんに言ってもどうする事も出来ないし苦しめるだけだと。それでもイヤな気持ちをお母さんにぶつけるしかできなかったのです。世の中には僕のように自分の体にきらいな所があってたくさんのお金を出して手術を、する人がいるそうです。自分が自分らしく生きていくために悩んで手術をするのだと思います。

僕はそれからは友達に言われていないのでそこまで悩んでいませんが心の傷はずっと残ったままです。「けつあご」と言う言葉を聞くのも今はイヤでイヤでしかたないです。何気なく言った一言でなやみ苦しむ人がいる事を忘れてはいけない、そう思った出来事でした。
そしてこれからはぼくも人が傷つくことを、言わないように気をつけようと思いました。
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