【佳作】平等に暮らせる社会へ 大玉中学校1年 小野坂心暖

平等に暮らせる社会へ
大玉中学校1年 小野坂心暖

皆さんは、点字がついている商品を見たことがありますか?私は、お母さんと一緒にスーパーマーケットへ買い物に行ったときに、フタの部分に点字がついているドレッシングを見かけました。その時、「何故点字がついているのだろう?」と疑問に思い、家に帰ってからお母さんに聞いてみました。すると、「それは、目が見えない人も商品を見分けることができるようについているんだよ。」と教えてくれました。私は、「できるだけ多くの人が平等に楽しく買い物できるように工夫されているんだな」と思い、とても嬉しくなりました。その後、気になって家にある食材で点字がついているものを探すと、ケチャップに、他には洗濯機のボタンの部分や、エアコンのリモコンの中央部分についていることが分かりました。しかし、思っていた以上に点字がついている物は少なく、ほとんどはついていない、ということが分かりました。私は、このことを知って、「点字がついていないと、目が見えない方々はとても不便だろうし、生活するのがとても大変だろうな」と思いました。また、私は小学校六年生のときに、目が見えない方の模擬体験をさせて頂きました。その際、誰かに手を引いてもらわないと歩くことすら怖くなり、何がどこにあるのか分からないため、知っている場所のはずが知らない場所に来てしまったかのような気がする、ということも体験しました。また、物をさわっても、それが何か全く分からないため、「箱の中身は何だろな?」というゲームをずっとやっているのと同じような感覚になりました。このゲームは、何が入っているのか分からない箱の中に手を入れて中身をさわり、その中身が何かを当てるゲームです。それも何がくるかは全く分からないため、私達がよく使うノートでも「平べったくて角がある物」という情報しか得られず、さわるのがとても怖くなってしまいました。でも、そこに点字があると、中身は見えなくても「ノート」という名称は理解することができるので、何も分からない状態より少し安心してさわることができるのです。

しかし、何故点字がついていない物がこれだけあるのでしょうか。人間には、みんな平等に生きる権利があります。それなのに、この状態では目が見えない方々はハンデ付きで過ごしてしまっている状況にあります。これでは、とても「平等」とは言えませんよね。最近は、日本でも少子高れい化が進んでいます。高れいになってくると、視力が落ちてくる方々も多いはずです。そのような方々にもハンデがつくことの無いように、私達ができることはないのでしょうか。
そんな疑問をはらすべく、今、目が見えない方々に寄りそうためにどのような取り組みが行われているのか調べてみました。

調べてみると、最もよく知られているであろう白杖の他にも、駅などの公共し設などでよく見られる点字ブロックやエレベーターのボタンについていることが多い点字表示というものがあることが分かりました。また、私も東京など都心部で目にした「ピヨピヨ」や「カッコウ」という音声付きの音響信号機や、「音声パソコン」と呼ばれる目が見えない方も読み上げ機能や音声案内をしてくれるソフトもあるそうです。調べてみるとたくさんの目が見えない方に寄りそった道具などが開発されていることが分かりました。それから、道具だけでなく、動物も目が見えない方々の生活を手助けしてくれているのです。それが盲導犬です。盲導犬は、一見普通の犬に見えますが、飼い主が障害物にぶつかったり段差や角でつまずいてしまうことの無いように、誘導してくれたり、行きたいところまで安全に案内してくれるとても重要な役割を担う犬です。また、実際に盲導犬と共に暮らしている方の思いがのった本を読んでみると、「盲導犬がいてくれるだけで毎日が明るく楽しくなった」という文章もあり、「これからもどんどん盲導犬や目が見えない人のための道具が増えていくと嬉しいな」と思いました。でも、まだ盲導犬の入店が許可されているお店は多くはありません。それに、私にはまだどこでも盲導犬の入店が許可されるように取り組みを考えることはできません。それでも、もし目が見えない方を見かけて、困っていたらできる範囲で手助けするなど、小さなことでも、少しずつ誰かのためになることをしていきたいです。

私は将来看護師になりたいと思っています。それまでにできるだけ「ハンデ」がなくなっていてほしいです。そして、なくならなかった分のハンデの有無によってできてしまった境界線を少しでも埋められるような誰かに寄りそえる看護師になりたいです。一人一人の優しさで明るい素敵な未来が拓けますように。
このページの情報に関するお問い合わせ先
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137