【佳作】性別は、私を決める理由にならない 大玉中学校2年 林夏羽
性別は、私を決める理由にならない
大玉中学校2年 林夏羽
「女の子なんだから」「男の子なんだから」小さいころから、私は何度もこの言葉を聞いてきた。スカートをはきたくないと言ったら、「女の子なのに」、虫が好きだと言ったら、「そんなの男の子の遊びだよ」と笑われた。たったそれだけのことで、「女の子らしくない」と決めつけられることに、ずっとモヤモヤしていた。
けれど、学校やテレビなど、いろいろなところで「多様性」や「ジェンダー平等」という言葉を目にするようになってから、私は少しずつ、「自分は間違っていないかもしれない」と思えるようになった。なぜなら、「性別は、人を決めるためのものではない」という考え方に出会えたからだ。
たとえば、私たちの学校では、来年度から制服が新しくなる。これまでの女子の制服はスカートだけだったけれど、新しい制度では女子でもスラックスをはくことができるようになる。私はこの変化をとてもうれしく思っている。なぜなら、スカートだと寒いし、歩きづらいから。また、私はスカートがあまり好きではない。でもこれまでは、「女子だから」という理由だけでスカートが当たり前だった。
きっと私と同じように、ずっとスカートに違和感をもっていた子もいたと思う。制服が変わることで、「女の子はこうあるべき」という固定観念から少し自由になれるような気がする。スカートが好きな子はそれを選べばいいし、スラックスのほうが合っている子はそちらを選べばいい。ただそれだけのことなのに、「選べるようになる」ことは、大きな一歩だと思う。
私は、自分らしくいることが大切だと思っている。髪型、服、話し方、興味のあること、それらを性別で決めつける必要なんて、どこにもないはずだ。けれど現実には、まだ「女の子なんだからおとなしくしなさい」とか、「男の子なんだから泣かないの」といった言葉が、当たり前のように使われている。
でも私は思う。悲しいときには泣いてもいいし、元気な女の子がいたっていい。性別によって感情や行動をしばるのは、その人の本当の姿を見えなくしてしまう。
最近では、制服だけでなく、呼び方、行事の中の役割分担など、少しずつ「男女で分ける」ことに疑問がもたれるようになってきている。それはとても良いことだと思う。みんながもっと「自分の気持ち」を大切にできるような環境になれば、お互いをもっと尊重できるはずだ。
私は、「自分らしく生きていい」と思える社会であってほしい。そして私自身も、そういう社会をつくる一人になりたいと思っている。
もし、誰かが「女の子なのに変だね」と言われていたら、「そんなことないよ」と言える人でいたい。自分が言われたら嫌なことは、他の人にも言わない。それが思いやりであり、優しさだと思う。
私の性別は「女の子」だけど、それが私の性格や好みや生き方を決める理由にはならない。スカートが好きでなくても、女の子らしくなくても、それでいい。私は私のままで、ちゃんとこの世界にいていいのだと思う。
これから先、いろいろな価値観の人と出会うだろう。きっとその中には、「性別らしさ」を大切にする人もいるだろうし、私とは違う意見を持つ人もいる。でも、どんなときでも私は「性別は、私を決める理由にならない」という気持ちを忘れずに、自分らしく生きていきたいと思う。
そしてその思いを、自分だけにとどめるのではなく、周りの人にも伝えていきたい。「女の子だから」「男の子だから」という言葉で苦しい思いをしている人がいたら、私はその人の味方になりたい。みんなが「自分らしくいられる」ことを当たり前にできるような社会をつくるために、私ができることを少しずつ積み重ねていきたい。
性別にとらわれず、一人ひとりが「自分らしい生き方」を選べる世界。私はそんな未来を信じているし、その未来を自分の力で近づけていきたい。これから迷ったり悩んだりすることがあっても、「私は私。性別に決められる必要はない」と思い出したい。そして、周りの人にも「君は君のままでいい」と伝えられる人になりたい。
性別という枠にしばられず、一人ひとりが自分の好きなものを選び、安心して生活できる社会。それは決して遠い夢ではなく、私たち一人ひとりの意識や行動から始まるものだと思う。だから私は、これからも「性別は、私を決める理由にならない」という信念を胸に、自分らしく歩んでいきたい。
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