【佳作】弱い自分も自分だから 玉井小学校5年 伊藤悠

弱い自分も自分だから
玉井小学校5年 伊藤悠

ぼくは、メンタルが強くありません。そう思う理由がいくつかあります。
ぼくは、スポ少でサッカーをしています。試合中に小さなミスをした時や、シュートが決まらない時、相手にボールを取られた時、相手のフィジカルに負けてたおされた時、ほとんどの人はくやしい気持ちになると思います。けれど、ぼくはくやしく思うよりも先に、がっかりして落ちこんでしまいます。仲間やコーチ、母にきびしいことを言われると、すぐに泣いたりいじけたりしてしまいます。他の仲間は、ぼくみたいにちょっとしたことで落ちこんだりいじけたりはしません。ぼくは、メンタルが強い仲間のことをいつもうらやましく思っていました。

ぼくは、サッカーの練習の時、プレーが思うようにできないと、「やっぱりだめだ。ぼくは下手なんだ。」と、すぐにあきらめそうになります。さらに、友達にプレーについて言われた時もすぐに泣いてしまうため、きらわれたかもしれないと不安になり、自分のことがどんどんきらいになっていきます。そしてだんだんとサッカーが楽しくなくなり、練習に行って友達に会うのがこわくなりました。「自分もがんばっているのに、誰にも認めてもらえない。」そう感じて、とても悲しく、つらく、弱い自分がいやになりました。
ぼくは、お父さんにその気持ちを話してみました。するとお父さんはこう言いました。「悠は人の気持ちがわかる子だよ。つらくなるのはそれだけ心が優しいからだよ。だから、言われる言葉が心にささるんだね。でもそれは悪いことじゃないよ。悠はもっと自分に自信をもてば強くなるよ。」ぼくはその言葉を聞いて、心がほっとしました。ぼくは、メンタルが強くならないとダメだと思っていました。でも、メンタルが弱くても、ぼくはぼくのままでいいんだ。ぼくにはみんなとはちがうぼくのよさがあるんだと思えるようになりました。
それから、少しずつ自分に自信をもつことができるようになってきました。失敗してもへこむことが減り、自分らしくサッカーをプレーできるようになってきました。もちろん今もいじけてしまうことはあります。でも、自分で気付いて、受け止め、立ち直ろうとする力も少しずつ付いてきたと思います。

ぼくは、メンタルが弱いことは悪いことではないと思えるようになりました。弱い自分も自分だから。これからも、そんな自分の気持ちに向き合って、自分をすきだと思えるようにしていきたいです。また、ぼくと同じようになやんでいる友達がいたら、その気持ちに気付いて、「みんなとちがっても大丈夫だよ。」と声をかけられる人になりたいです。そして、ぼくがお父さんに支えてもらったように、その人のよさを伝え、支えて、笑顔にできるような人になりたいです。そうなれるように、これからも努力したいです。
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