【佳作】言葉 玉井小学校6年 遠藤悠人
言葉
玉井小学校6年 遠藤悠人
「背、小さいね。」これはぼくが、一番嫌な言葉です。ぼくは背が低いので、友達や他の学年の子に言われるのが嫌いです。誰でも言われて嫌なことが、あると思います。
ある日、学童で母の迎えを待っていました。本を読もうと本棚のところにいた時、他の学年の子とぶつかってしまいました。ぼくはすぐに、「ごめんね。」と、あやまったのですが、その子が、「何年生?」と、聞いてきたのです。ぼくは、「六年生だよ。」と答えました。すると、「六年生には見えないけど。背が小さいし。」と、言われてしまいました。ぼくはすごく悲しくて、涙が出ました。その子は、悪気がないように見えました。この後、先生が来て仲直りをしたのですが、ぼくの気持ちは、すっきりしませんでした。相手が、何も気にしていないように見えて、馬鹿にされているような気持ちが消えなかったのです。数日後、学童で勉強をしていると、その子が来ました。「この前のことを謝りに来てくれたのかな。」と思っていると、全く別の話をしてきました。「あんなにひどいことを言ったのに、どうして平気でいることができるのだろう。」と、その子の気持ちが、ぼくには理解できませんでした。
言葉の使い方は、難しいと思います。なぜなら、同じ言葉でも意味の違う言葉があるからです。例えば、料理で具材を切るために便利な包丁も、使い方次第では凶器になります。言葉も同じで、楽しくやりとりすることもできれば、凶器のように、心に大きな傷や小さな傷を付けてしまうこともあります。また、言葉を正しく使わないと、ちょっとした問題や行き違い、トラブルの元になり、いじめや差別に、つながってしまうこともあるでしょう。
言葉は、人を喜ばせたり、楽しませたり、勇気づけたりすることに使ってほしいです。少なくともぼくは、そうしていこうと思っています。言葉の使い方を間ちがえると、ぼくのような経験をする人が出てきてしまいます。
ぼくは、今回の経験を通して、改めて、人と話す時には相手とよい関係を築けるように、相手の気持ちを考えて言葉を選びたいと思いました。相手が不快な気持ちにならないように、ていねいな言葉を選んで話すように心がけていきたいと思います。そして周りの人にもそれを広げていきたいです。
この先また、ぼくの外見について嫌なことを言われてしまうことがあるかもしれません。その時は、今回の経験を生かして、言葉の意味を考えて、優しく、「他人の容姿のことは、言わない方がよいこと」を伝えていきたいと思います。
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