【優秀賞】一人ひとりの個性 玉井小学校6年 丹野芽依
一人ひとりの個性
玉井小学校6年 丹野芽依
私は、幼い時から手掌多汗症という手から汗が人よりも多く出る病気を患っています。
五年生のお昼休みのときのことでした。外でおにごっこをして、下駄箱でくつをはき替えていると、手のひらから汗がしたたり落ちているのに気付きました。思わず私は、「汗がすごい。」と口に出して言ってしまいました。すると、同級生の男の子が私の手を見て、「うわ、キモ。」と言って教室に戻って行きました。つい出た言葉だと思うのですが、私は心の中で「わたしだってこんな病気になりたくてなったわけじゃない。」と、悲しい気持ちになりました。
この手にはいろいろと不便さがあります。ノートに字を書いていると、ノートが汗でぬれてしまうので、周りに気付かれないようにハンカチでぬぐっています。また、夜寝る前に汗が出るのをおさえる薬をぬったり、冬は、逆に手がかさかさになるので保湿クリームを何度も何度もぬったりしています。それでもよくはならず、「私はどうしてみんなとちがうの。」と考え、悩むことが増えました。
また、クラスの友達の中に手があれているという理由でプールを見学している子がいました。「どうしたの。」と聞きました。すると友達は、「いいから。」と答えていました。はっとしました。私と同じだ。あの日、手を見て言われたことが心の奥底からよみがえり、「どうして聞いてしまったのだろう。」と反省しました。自分が言われたらどういう気持ちになるんだろう、そんなことも考えずに言った自分が嫌になりました。
この手の症状を治すことは難しいと言われています。手のことで悩んで悩んで、全部投げ出したい時もありました。でも私は、次第に一人ひとり個性があっていいと思うようになってきました。私の学年は、男子も女子もとても優しいです。母も「六年生は、男子も女子も優しいよね。」と言ってくれました。自分だけがちがうというわけではなく、それは自分の個性だと思うようにしました。みんなちがうからみんないいという言葉で、私は、すごく心が救われています。みんな同じでは、つまらないと思います。私は、自分の体質を気にしてきました。でも今は、クラスのみんなが私を受け入れてくれています。みんなが優しい気持ちで接することができ、それぞれのちがいを個性として受け入れているからだと感じています。
クラスの友達だけでなく世の中の人たちみんなが、優しい気持ちで人と接することが大切だと思います。そうすることで、人とちがうことを自分の個性だと思うことができ、自分に自信を持って生活することにつながっていくはずです。
このページの情報に関するお問い合わせ先
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137
