【優秀賞】「職場体験で感じた農業の大切さ」 大玉中学校2年 須藤 葵

職場体験で感じた農業の大切さ
 
大玉中学校二年 須藤 葵
 
 二年生の夏、毎年行う「職場体験」の時期が近づいてきた。私は小さい頃から祖父につれられ手伝いに行き、なじみ深い「直売所」を選んだ。我が家でも祖父母が野菜を育て、出荷をしている。
 職場体験一日目。その日は、直売所に野菜や花を出荷している農家さんのお宅にうかがった。その時はみなさん自慢の野菜や花を収穫、手入れをしている最中だったため、手伝いをした。その日は気温二十五度以上で、ハウスの中で作業をしている人もいた、動くたびに暑く、いつも冷房にきいた所で勉強をしている私たちにはこの中で作業をする大変さが身にしみて分ったし、いつもおいしいと言って食べる野菜の中には、農家さんの愛情や大変さがぎゅっと詰まっていると感じられた、一日目だった。
 二日目は、三日目に行われる自分たちで野菜を販売するために使うポップの製作をやり、お客さんに野菜を買ってもらうための「客引き」見本をインターネットの動画でみた。それは、ある店の店長さんが行う「マイクパフォーマンス」によってのものだった。その店長の客引きの声は野菜が出荷されるとすぐに店中にその紹介が響きわたり、どんどんお客さんが集まってきた。そして野菜を手に取り、とぶように売れてすぐに完売になっていった。それを見て、この店長は農家さんの大変な作業や愛情を込めてつくられた野菜の良さをお客さんに伝え、完売させたいという気持ちがあるんだなと感じた。一日目にその良さを目の前で見た私たちはこれができると考え、人の目に止まるポップを完成させた。
 いよいよ迎えた三日目。緊張したがみんなで完売させようと決めたので慣れない客引きにも力をいれた。すると何人かのお客さんが足を止めて野菜をながめ、買ってくれた。売れたときはとても嬉しく思い、客引きにもだんだん慣れていき、終了時には全ての物が完売していた。目標が達成されて本当に良かった。
 今回の体験で一番分かったことは、自分たちで食べる野菜には思いがたくさん込められていること。良かったことは、十二月にリニューアルした直売所に県内外からお客さんが来てくれたことだ。それは大玉村産の野菜が原発事故の風評被害にあったがもう安全だと認めてもらえたということだ。今はもうほとんどの野菜が大玉産だけでなく県内産も安全に食べられるが、それを知らない人たちもいる。だから、自分たちも食の安全をもっとたくさんの人たちに知ってもらいたいと思う。良い課題を見つけられたすばらしい職場体験になった。