【最優秀賞】「様々な視点から」 大玉中学校2年 斎藤 育
様々な視点から
大玉中学校二年 斎藤 育
「葉物の野菜って高いよね。」最近、母とこんな会話をした。私達にとって、農作物は欠かせないものだ。今日一日の食事の中にも、たくさんの野菜や、お米が使われていた。でも、「消費者」という立場に立って考えると、農作物の値段が上がってしまうということは、決して小さいとはいえない問題である。一方、「生産者」という立場に立って考えてみると、消費者が商品として農作物を買わなければ、農業がしづらくなってしまうだろう。最近、社会の授業で、農業についての勉強をしている。農業は気温や天気、環境の変化などに影響されやすく、とても難しいため、必ずしも思い通りになるとは限らないそうだ。値段を上げることになるのは、生産者からしたら、仕方のないことなのだと思う。消費者と生産者が、お互いにどうなれば良いのか、何か良い方法はないのか、そう考えていると、ある場所が頭に浮かんだ。私の家の近くには、直売所がある。いつもたくさんの人が訪れていて、とてもにぎわっている。どうして人はそこに集まるのだろう。そう考えると、一つの理由があることに気付いた。それは、消費者と生産者の間に、よい関係があるからなのではないかと思う。直売所があることで、生産者は消費者、消費者は生産者の顔が見える。お互いの顔が見えることで生まれる安心感や達成感、喜びは、とても大きな力を持っていると思う。直売所があることで、消費者が買いやすく、生産者が売りやすい環境ができているのは、実はとても素晴らしいことなんだ、そう思った。
ニュースや新聞で、農業に興味を持ち、農業に関わる若い人達が増えているということを知った。農業に関わる人達を増やそうとする取り組みも、いろいろなところで行われている。高齢化が進む「農業」の中で、若い人達がいるということは、なくてはならないことだと思う。もし、これから農業をする人がいなくなってしまったら、私達にとって、とても大変で、大きな影響が出ることになる。生産者となる人達を支え、守っていくということも、消費者である私達の役目なのかもしれない。では、実際、私は自分で何にができるのだろう。それは、良い消費者、賢い消費者になることなのだと思う。例えば、買い物に行ったら、地元の農産物を手に取ってみること、地元ではどんなものが作られているのか、興味を持つこと。小さいところから「地産地消」という言葉が頭に浮かぶ消費者になれば、そのことから生まれる力は、大きな力になるのかもしれない。
生産者と消費者。どちらも、なくてはならない存在だ。だから、お互いに支え合っていける関係を築いていくことは、とても大切なことだ。そのために、私もできることから始めてみようと思う。