【最優秀賞】「2時間の気付き」 大玉中学校2年 鈴木望夢

最優秀賞
「2時間の気付き」
 
大玉中学校 2年 鈴木 望夢
 
 「ちょっと手伝って。」
 祖母のその一言で、私の一日がスタートしました。時間はまだ朝の7時。前日まで学校があり、疲れていた私はまだ寝ていたいという気持ちがありつつも、祖母の所に行きました。
 私が、
 「何をすれば良いの?」
 と聞くと、祖母は、
 「畑に来て野菜を採るの手伝って。」
 と言いました。収穫するだけならすぐ終わるだろうと思い、私は畑に向かいました。そこには1人で一生懸命野菜を収穫している祖母の姿がありました。私は走って祖母の所に行きました。
 私はねぎとにんじんの収穫を手伝うことにしました。ねぎもにんじんも引っ張るだけだから簡単だろうと思い、まず近くにあったねぎを引っ張ってみました。すると、そのねぎはとても細く、まだ収穫時期のものではありませんでした。私には、収穫できるものかどうか、見分けがつきませんでした。そういった失敗を繰り返しながらも、段々とコツをつかみ、ほぼ全ての収穫が終わりました。気がつくと、まだ薄暗かったはずの空が澄んだ青空に変わっていました。作業に熱中しているうちに2時間も経っていたことに驚きました。夢中になって収穫をしたので、私はくたくたでした。足腰が痛くなり、腕もとても疲れていました。その後家に帰ると、収穫した野菜で祖母がみそ汁を作ってくれました。自分で収穫した野菜はいつも以上においしく感じました。ご飯を食べていると、祖母にこう言われました。
 「今日は本当にありがとう。いつもの2分の1しかやらなくてよかったから助かった。また今度よろしくね。」
 私はとても嬉しい気持ちになりました。次は自分から手伝いに行こうと思いました。最初に頼まれた時は少し面倒だという気持ちでしたが、やり終えてみると、やって良かったと思いました。
 たった2時間の手伝いでしたが、私は沢山のことを学びました。農業の大変さはもちろん、人を笑顔にさせる方法まで。今までスーパーに野菜を売っているのは当たり前と思っていました。でも、それが当たり前になっているのは、野菜を必死に育ててくれた農家の方がいるからなんだと改めて感じました。農業というものは苦労がある分、人を笑顔にできる良いものだと思いました。これからも農家の方に感謝しながら祖母の手伝いをしていきたいと思います。ばあちゃん、野菜を作ってくれてありがとう。そして、たくさんのことに気づかせてくれて、ありがとう。「当たり前」に感謝して生きていきます。
 
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