【優秀賞】「風評から福島を救うために」 大玉中学校1年 伊藤 琉生

【優秀賞】
「風評から福島を救うために」
大玉中学校 1年 伊藤 琉生
 
 2011年3月11日。福島、宮城、岩手県をはじめとする多くの地域に被害を出した東日本大震災が発生した。強い地震の被害の他、津波の被害もとても大きかった。しかしこの2つの被害以外にも、現在もまだ、多くの人々を苦しませているものがある。それは放射能汚染である。人間に有害な性質もあるため、今も、国内外の他の地域の人々が恐れている。これにより、最も苦しんでいるのは福島の漁師や、農家の人々だ。風評被害で福島の野菜は食べたら危険などの情報が、各地に広まり、当然野菜や魚は売れなくなり、廃業する人も多い。
 僕の住んでいる大玉村は、海はないため農業は、米作りが盛んだ。そして、風評被害で苦しんだ地域の1つでもある。今では、技術が進歩し、米や野菜は、汚染されていない安全性が確認されたものを売っているため、福島の農産物は、安全だ。そして、そのことを東京などの日本の首都や、周辺でアピールをしている。そのおかげで、東京などの関東やその周りの地域では、風評被害が薄れてきている。しかし、まだ、西日本や九州では風評被害が残っていて、震災前の信頼を取り戻すには、まだ時間がかかると考えられている。
 そのような問題が残っている中、僕は、被災者の1人として、県民の1人として、とても危機感を感じている。今、アピール活動をしている人達は、決して若い人が多くはないと思う。今、農業に関心や興味を持つ若者が減少したり、地方をはなれて、上京をしたりしている。これは、荒れた田んぼや、高齢化の進む田舎の現状を見れば明らかである。様々な職業があり、将来の選択肢が増える現代、「農業で生きる」ことを選ぶ人は少なくなってきているだろう。大玉村も例外ではない。農業をする人が福島県からいなくなると、安心・安全であることをアピールすることが、これ以上できなくなり、信頼を完全に取り戻すことはできないと思う。
 しかし、このままでいいのだろうか。アピールができなくなり、この状態のまま終わってしまったら、今努力をしている人達は次の世代にバトンを渡せず、悔しさを残していくと思う。そうはならないためにも、若い世代向けに農業に興味を持つための対策を取ることが大切と感じる。例えば農業大学に通う学生を中心に農業の体験や、子供向けのイベントを多くするなど、様々な方法で僕達の福島県を救うことができる。何よりも良いと思うのは、まず自分達が、福島県のお米や農産物を食べることだと思う。
 どこのレストランで食べる料理よりも、家で食べるご飯が1番美味しいと感じる時がある。それと同じように、福島が好きならば、どのお米よりも自分達のお米が美味しいと感じるだろう。そうすることで、郷土愛も高まり農家の人も笑顔になる。できることから1つずつ。僕達の大好きな福島県の農業を守り、再生し、創造していこう。
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