【佳作】「美味しいのにねえ。」 大玉中学校1年 杉原 ひなた

【佳 作】
「美味しいのにねぇ。」
大玉中学校 1年 杉原 ひなた
 
 私はテレビで衝撃的な光景を目にした。食べられるはずの白菜が次々と機械によって粉々にされているのだ。「美味しいのにねぇ。」と、母がため息まじりにつぶやいた。野菜が大好きな私にとってその姿を見るのは痛々しく、母の言葉に強く共感した。
 なぜ、大量の野菜は行き場が無くなってしまうのか。どうすれば食卓まで運ぶことができるのか。この問題について私は考えてみることにした。
 今では、知らない人がいないであろうウイルス。通称「コロナ」は、国内で3月あたりに急速に広がり注目をあびた。そのコロナが後に野菜が行き場を無くす原因となってしまう。4月16日、全国を対象に緊急事態宣言がされた。それが農家に大きな影響を与えた。野菜がまったく売れないのだ。不要不急の外出がさけられることで、店舗に農作物が入らなくなった。店舗も事業所数は減り、販売額伸び率もあまり良くないこともあり、店舗はなんとか赤字を防ごうとする。その結果、売り上げが下がり続ける農家も値段を安くするか、出荷数を減らすしか方法はなくなるのだ。
 この問題を解消するには、ネットを使い、野菜を販売すること。消費者である私たちが積極的に野菜を買うこと。この2つの方法で解消することができると思った。
 1つ目の「ネットで野菜を販売する。」は、店舗で出している野菜の売上の低下を防ぐことができ、消費者の外出をさけられることができる良さがあるのだ。例えば、小さいお子さんや赤ちゃんの面倒を見ないといけないからむやみに外出はしたくない。そんな時、スマホで簡単に購入できたらどうだろう。「とても便利で助かる。」と、思うのではないだろうか。子育てにも高齢者にも手助けができる良い方法だと思う。
 2つ目は、「消費者である私たちが積極的に買うこと。」だ。この方法は、売上を上げることができる良さがある。
 野菜は、ミネラルやビタミン、食物繊維を多く含む。そのため、病気になる確率を下げたり、生活習慣病の予防になったりするのだ。そのような食べ物が安いと聞けば手に取ってもらう数も増えるだろう。積極的に買い、食べることで免疫力を高め、コロナにかかる確率を低くすることにもつながるのではないだろうか。
 コロナ禍の今、農家は課題が増えつつある。その2つが私が取り上げた売上の低下と出荷数の減少である。その2つを解消するには、提供者は、ネットでの販売をすること。消費者は積極的に買うこと。提供者と消費者との相互関係は、かみ合うことで初めて成立するのだ。一方が不利になった時は、手を貸すことも大切である。こうしてつながり合った関係を維持すること。それが農家の問題の解消にもつながるのだ。この関係を維持する前に今の状況を踏まえ、少しずつ前へと進まなければならない。
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