【優秀賞】 「今の私にできることはたくさんある」 大玉中学校2年 鈴木さくら

【優秀賞】
「今の私にできることはたくさんある」
大玉中学校 2年 鈴木 さくら
 
 今、農業の世界には、たくさんの課題があります。
 例えば、後継者問題や高齢化、食料自給率の低下や耕作放棄地の拡大などがあります。また、農業は3k(きつい、危険、稼げない)というイメージを持っている人も少なくありません。
 私は、小学校の頃に田植えなどをお手伝いした経験があります。お手伝いといっても簡単なことしかできませんでしたが、祖父母や親戚たちが集まって頑張っている姿や、米のできる工程などを知ることができました。さらに、収穫までにたくさんの人手や月日が掛かることも学ぶことができました。
 しかし、中学生になってから新型コロナウイルスが流行りはじめ、親戚が集まれない状況になってしまい、米作りをすることが出来なくなってしまいました。私も中学生になり、テストに部活動、行事などが重なることで、手伝う暇もなくなってしまいました。
 米作りはできなくなってしまいましたが、祖母は野菜作りをしています。どこかに販売している訳ではありませんが、家で食べる野菜をたくさん作っています。
 しかし、私は好き嫌いが激しく、特に野菜は苦手でした。祖母が作った野菜も残してしまうような子どもでした。
 あるとき、家庭科の授業で、「ラディッシュ」という野菜を育てて、自分の家で調理して食べる。ということがありました。
「自分で野菜を作るのは小学生ぶりだな。」と思いながらワクワクしてそだてました。
「よし、食べられるまで育った。家族のみんなが食べてくれるのが楽しみだな。」と思って、夜ご飯にラディッシュの漬け物を作って食べました。
「おいしい。」と自分も、そして家族も感じてくれたと思います。
野菜は苦手だけど、自分で作ったから倍で美味しく感じるし、みんなが食べてくれて嬉しい、と思いました。そして、「今まで、祖母が作ってくれていた野菜を残していたなんて、悪いことをしてしまったな。」と思う気持ちが強くなりました。
 私が今からできることは何だろう。米作りなど、本格的なことはできないけれど、少しでも祖母を手伝いながら小さな野菜でも積極的に育てられるといいのに、と思うようになりました。もちろん、今だけのことではなく、将来、野菜を育てて家族に食べてもらいたいです。
 農業は、後継者不足が問題視されていますが、私のように、家庭科や総合の時間などに農業に触れ、魅力を知ることで、農業の後継者が少しでも増えていくといいなと思っています。
 今の私にできることはたくさんあるから。
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