玉井神社の三十六歌仙絵馬

小野小町「色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける」

大玉村 有形文化財
所在地:大玉村玉井字午房内
指定月日:平成26年12月22日
 玉井神社は、愛宕権現と安達太良明神を合祀した神社で、愛宕権現は以前旧玉井村の名倉山中腹にあって、明治6年(1873)に愛宕神社と改称した。 安達太良明神は、宝徳4年(1452)安達嶺から分霊されたと伝えられ、当村山入に祭祀された後、明治6年午房内に移され明治8年(1875)に社殿が建てられた。 そして明治12年(1879)に名倉山愛宕神社と合祀され、玉井神社となった。(『大玉村史』より)
 愛宕信仰は、祭神が火の神であることから火伏せの神として信仰され、また武運長久や厄病神から守る境の神としても信仰された。 社殿には三十六歌仙絵馬のほか、明治期から昭和初期にかけての大絵馬が奉納され、信仰および地域の民俗文化の豊かさが窺える。
 「三十六歌仙」絵馬は、明治22年(1889)に奉納され、36点のうち2点が欠落している。絹本に歌人および和歌が描かれ、黒塗りの縁に奉納者名がそれぞれ朱字で記されている。 画は金子蘿蔔で、現在の伊達市梁川町に居住した人物である。狩野派の絵を学び、明治3年(1870)に梁川で屏風や襖絵などを描いたが、とくに養蚕に関する絵を描き「養蚕画家」として知られ、また優れた絵馬も多数残している。
 絵馬は保存状態がよく、彩色もよく残っており、村の歴史と文化を知る上で貴重な史料である。

所在地

大玉村玉井字午房内
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