otama village

　玉井たまい村むらは戊辰ぼしん戦争せんそうの折おり、会津あいづへ至いたる裏街道うらかいどうを持もつ村むらとして、官軍かんぐん・幕府ばくふ双方そうほうから戦略的せんりゃくてきに注目ちゅうもくされていた村むらである。官軍かんぐんが奥州おうしゅう街道かいどうから会津あいづへ攻せめ入いるためには二ふたつの道みちがあり、一ひとつは玉井たまいから、石いし莚えん経由けいゆ、二ふたつには本宮もとみや・郡山こおりやまから会津あいづ街道かいどう経由けいゆ、中山なかやま峠とうげ越ごえの街道かいどうであるが、中山なかやま峠とうげ越ごえは、自然しぜんの要害ようがいに阻はばまれる上うえ、かなりの犠牲ぎせいを覚悟かくごせねばならず、そこで玉井たまいからの街道かいどうが選えらばれた。
　当時とうじ、二本松にほんまつ領内りょうないであった玉たま井村いむらと会津あいづ領りょうの石いし莚えん村むらの境界きょうかい近ちかくには、東軍とうぐん連合れんごう(幕府ばくふ伝習でんしゅう二大隊だいたい、会津あいづ二ひとし小隊しょうたい、二本松にほんまつ二小隊しょうたい、仙台せんだい二小隊しょうたい)が防備ぼうびを固かためるため、五百から千人にん近ちかく出兵しゅっぺいしてきており、官軍かんぐんとの防衛ぼうえいの最大さいだい決戦けっせん場じょうとして、母はは成なり峠とうげを選えらび、陣地じんちを構築こうちくしていった。
　慶応けいおう4年ねん8月がつ21日にち、東軍とうぐんの31人にんが玉たま井山いやま入村いりむらの戦争せんそうで没ぼっした。現在げんざい、その勇士ゆうしの墓はかを亀山かめやまにおき霊れいを弔とむらっている。

福島県ふくしまけん安達郡あだちぐん大玉村おおたまむら玉井たまい字あざ亀山かめやま