【特選】ふつうって何だろう 大山小学校6年 遠藤愛呼
ふつうって何だろう
大山小学校6年 遠藤愛呼
「そんな事、ふつう出来るよね。」
この言葉は、私をイライラさせたり、落ちこませたりします。みんなの言う「ふつう」ってなんだろう。私の思う「ふつう」とはちがうと思いました。
私は、運動が苦手です。みんなみたいに上手に体を動かすことが出来ません。私がまだ低学年のころ、体育の時間にドッジボールをしました。試合に負けた時、「どうしてこんなボールもとれないの?ふつう取れるでしょ。」「愛呼ちゃんのせいで負けた。」と言われた事がありました。家に帰ってお母さんに今日あったことを話しているうちに、つらかったこと、はずかしかった事が思い出されて泣いてしまいました。まるで自分が当たり前の事もできないダメな人間のように感じました。そんな時、お母さんが、
「今はまだ、みんな小さいから思ったことをすぐ口に出しちゃうんだね。」「もう少し大きくなると、できる子ができない子の分までカバーしてくれる友達ができるよ。」と言ってくれました。そして私に金子みすゞさんの詩集をくれました。私は「わたしと小鳥とすずと」という詩が好きです。お母さんの言いたかったことが分かった気がしました。みんなそれぞれ上手に出来ることはちがっていて、みんなが同じじゃなくていいんだよと言っているように感じました。六年生になってドッチボールをした時、「愛呼ちゃん、ボールのよけ方が上手だね。」と言ってくれた友達がいました。ボールが顔に当たった時、「だいじょうぶ?」と心配してくれる友達もいました。私は心がほかはかしました。私は昔と変わらずスポーツは苦手だけどドッチボールで初めてほめてくれた友達のためにがんばってみようかなと思いました。
毎年、学校で「親子でチャレンジキャンペーン」という活動があります。私は一日に一回相手の良いところをほめるというチャレンジをしました。やってみると人の悪いところを見つけるのは簡単でしたが、人の良いところを見つけるのは難しいことが分かりました。家族から「愛呼ちゃんは、困っている人に、優しい言葉をかけてあげられる人だよ。」と言われた時、うれしかったです。私はダメな人間ではなくて、だれかの役に立てているんだなと思うことができました。
私が思う「ふつう」が他の人の「ふつう」とはちがいます。だから自分と同じことができなくても責めずに認めてあげたい思います。みんなが個性を認めて、おぎなき合う事で、毎日楽しく過ごせる人が増えるはずです。私はもうすぐ中学生です。新しい友達ができた時、相手の良いところを見つけて言葉で伝えられる人になりたいです。
このページの情報に関するお問い合わせ先
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137