【佳作】相手へのおもいやり 大山小学校5年 渡邉来乃波

相手へのおもいやり
大山小学校5年 渡邉来乃波
 
私は人権という言葉を聞いた時、「自分はみんなとちがうところがあるのかもしれない。」と思った事があります。
あれは四年生の時、仲の良い友達とケンカをしてしまった時の事です。おたがい少し言い合いになってしまい、このままでは良くないと思い「ごめんね。」とあやまりました。でも、相手の友達は、私に対して「うるさい、宮城県。」と言い返してきたのです。この一言が私の心の中にいつまでも残り続けました。
私は親の都合で、一度、宮城へ引っこしをしていて、また福島にもどってきたのですが福島へもどってきて仲良くなった友達と、四年生の時に同じクラスになり、そこでささいなケンカをしてしまいました。ケンカの内容は本当にささいな事でしたが、おたがい、どんどん感情的になってしまい、ふだん使った事のない言葉がつぎつぎと出てきてしまいました。友達も悪気があって言っているのではないと分かってはいましたが、私は友達の言ったあの言葉がどうしても引っかかり、なかなか許す事ができませんでした。私が「宮城から来た人」だからなのか、それともまた、別な理由があるのか、心の中は悲しい気持ちと苦しい気持ちでとてもぐちゃぐちゃしていました。
友達とは仲直りできましたが、どうしてあの時、あの言葉を許すことができなかったのか、考えてみることにしました。まず、あの時の言葉を言われて悲しかった事はもちろん、他の友達と自分が「比べられている」という事、もう一つは「住んでいた場所が福島ではなかった」という理由だけで友達との間に小さなみぞがあった事。この二つが、なかなか許すことができなかった理由ではないかと考えます。

私のように同じ経験をした人はたくさんいると思います。まわりからは「転校生は変わり者」と思われてしまう存在なのかもしれません。なので、なかなかかんたんに解決できることではないと思います。ですが、一人ひとりが、自分だったらどうするのかを意識し、相手をおもいやる気持ちがあれば、少しでも変えていけるのではないかと私は思います。
そのためには、日ごろから相手によりそい、相手の気持ちをよく考えたり、相手がいやな気持ちになるような事を言わないように気を付けて生活していかなければならないと思います。
 
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