【佳作】虐待を減らすために 大玉中学校2年 麻生悠禅
虐待を減らすために
大玉中学校2年 麻生悠禅
最近、ニュースでよく虐待等の記事を目にするようになりました。 保育士や教師、更には親までもが子供を虐待している事例があります。そして、中には 今なお気付かれていないうちに虐待されている子供がいます。これは、子供の人権を尊重していない大人がいることを如実に物語っています。そもそも人権とは、「人が生まれながらにして持っている、その人が幸せになるための、誰にも侵すことのできない権利」となっています。ですが、「誰にも犯すことができない」という部分を履行して、その人の人権を軽視、あるいは無視している人が、かなりの割合でいるようです。
児童虐待の件数は、令和3年で20万7659件、令和4年で12万9484件、令和5年13万2806人と増加し続けており、このことから、年々人権を軽視している大人が増えていることが分かります。 しかし、実際に虐待されている子供の数はもっと多いはずです。しかし、周りの環境に影響されたりすることで、虐待を訴えられないために、 誰からも助けてもらえずに虐待され続けている人がいるのだと思います。では、それを無くす為には、どのような環境を作る取り組みが必要なのでしょうか。
まずは、信頼できる、何でも話せる相手がいる環境が必要です。子供でも、大人でも、まずは自分以外に「虐待を受けている」という情報を共有しなければ助けてもらえるはずもありません。 しかし、自分の事情を話すことにかなりの勇気が必要です。恐らく「公表されていない虐待」の被害者のほとんどは、この「何でも話せる相手」がいないために虐待の情報が広まらず、結果として虐待され続けているのでしょう。 しかし、相手が子供でも大人でも、一度話してしまえば、他の誰かに事情を伝えることへの抵抗が少なくなります。実際に警察や児童相談所などの本当に動いてくれる人に最初から相談するのが難しい人は、まずは友達で相談の練習をするといいと思います。よくニュースなどでは「職員が不自然なあざに気づいた」「最近やけに元気がないことに親が気づいた」など、他の誰かが気づいたという発覚の仕方が出てきます。しかし、本当に誰でも気づいてくれるかというと、実のところそうでもありません。結局、確実にわかってもらうためには、自分から相談しなければならないのです。他の誰かに気づいてもらうのを待っている間に、取り返しのつかない怪我をするかもしれないし、 いつまでたっても気づいてもらえないかもしれない。だからこそ、自分が「相談できる」と思える相手がいることと、その人にしっかりと自分から相談することが大切なのです。
というのも、僕も虐待絡みではないものの、足に怪我をした時に、体育の授業があって、先生に自分から「休む」というのが恥ずかしくて、他の誰かや先生に気づいてもらうのを待っていたことがありました。でも、結局誰にも気づいてもらえなくて、痛みに耐えながら授業を受けました。でも、流石に次の日の体育は、前日の教訓を活かして、自分から「休みます」と先生にひっそりと言って見学しました。 この経験から、誰かに気づいてもらうのをあてにするのではなく、自分から言い出すことが大切だと学びました。このことから、虐待に限らず、言えない悩み事を持っている人には、友達作りをお勧めします。また、自分が誰かにとっての「何でも話せる人」になることも大切です。自分が友達になることで、悩みを聞いてあげることで、助けてあげられる人が、あなたの周りにも数知れずいるかもしれません。また、先に述べた僕の経験の1日目のように、頭では「言わなきゃ」とわかっていても、実際にどうしても言えない人がいるかもしれません。 そういった人は自分の勇気が高まるのを待つか、誰かが気づいてくれるのを待つかの二択しかありません。しかし、前者は途轍もない時間が、後者には周りの人の鋭い観察力が必要になります。虐待の発見には、「自分の周りにはないはずだ」という先入観を排除して、周囲の人を徹底的に観察する必要があります。もしあなたが少しでも人権の侵害を減らしたいと心から思っているのであれば、周囲の人との関係や自分の他人に対する洞察力が重要になってきます。どちらも人によっては入手が難しいものではありますが、人権の侵害を少しでも減らすために、今一度周囲の人を見回してみてはどうでしょうか。
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