【優秀賞】人けん教室で気付いた大切なこと 玉井小学校4年 嶋貫絢菜

人けん教室で気付いた大切なこと
玉井小学校4年 嶋貫絢菜
 
「いいですね。」発表した直後に先生にそう言われて、不安だった気持ちが一気になくなった。そして、これでよかったんだと安心した。
それは、六月に行われた、人けん教室。正直わたしは、「人けん」という言葉の意味も分からなかった。「人けん」とは、「人間が人間らしく生きるけんり」のことらしい。もっと分からくなった。でも、まわりの友達は、どんどん分かっているみたいで、とてもあせった。そのとき、人けん教室の先生が、「自分を大切に、他の人も大切に。こんなけいけんは、ないですか。」とおっしゃった。そこで、少し考えてみた。自分で自分を大切にしているとはあまり思わなかったが、友達には大切にされていると感じることが何度かあった。

六月になり、今年のプールのじゅぎょうが始まった。もともと、あまり泳ぎはとく意ではなかった。でも、泳げるようにはなりたくて、何回も何回も練習をくり返した。うでの動かし方、バタ足の仕方。一番苦労したのは息つぎだった。うでの動がし方は、先生にほめられることもあったけど、息つぎだけは何度くり返してもできるようになる感じがなかった。もういやなり「わたし、あきらめる」と、つぶやいた。それを聞いていた友達が、「あきらめないで。練習すれば、ぜったいにできるよ。」とはげましてくれた。その言葉で、なんかできるような気がしてきた。そして、先生に言われたとおりに、もう一度やってみた。水中で息をしっかりはき、顔を横に向けて、すぐに息をすう。いつもは、ここで苦しくなって足をついてしまう。ここで、友達の言葉、「あきらめないで」が頭にうかんだ。苦しいけど、がまんして泳いでみた。「できた!」すぐそばで、おうえんしてくれた友達も見てくれていた。「すごいじゃん。ちゃんとできてたよ。」とてもうれしかった。この友達のおかげで、あきらめないで練習すれば、できるようになるということが分かった。

「あきらめかけたわたしを、友達がおうえんしてくれました」「いいですね」どきどきしながら、発表した内容は、合っていたみたいだった。でも、安心した次のしゅんかん、はっとした。他の人も大切に友達はわたしをおうえんしてくれたけど、わたしはその友達に何をしてあげたんだろう。わたしは、友達を大切にしたんだろうか。きっと、今までだったら何かをしてもらって当たり前にと思っていたかもしれない。この日の人けん教室のおかげで、自分に足りなかったものに気付くことができた。次のプールの時間に今度はわたしが言わなくちゃ。「あきらめなければ、ぜったいできるよ。」
 
このページの情報に関するお問い合わせ先
大玉村TEL:0243-48-3131FAX:0243-48-3137