【優秀賞】勝ち負けよりも大切なこと 大山小学校6年 武藤翔
勝ち負けよりも大切なこと
大山小学校6年 武藤翔
今年のパリオリンピック男子走り高跳びの競技でカタールの選手が、助走中に左ふくらはぎを痛め、倒れ込んでしまった。そこにイタリアの選手がかけつけ、手当をして励ました。そのおかげか、カタールの選手はその後競技を続けることかでき、どちらの選手も決勝に進出することができた。ぼくは、オリンピックでは国同士で優勝を争うことも大切だが、他にもっと大切な目的があるのではないかと、これらのことを通して感じた。
ぼくもそんなライハルが最近できた。「また、あの子と戦うのかいやだなぁ。」ぼくは、地域のスポーツ少年団で小学1年生のころから剣道を習っている。そして、ずっと隣町に同じ学年のライバルがいる。六年生までは同じ学年の男子がぼくとライバルの二人しかいなく、地域の大会では何度も戦う相手だった。最近は負けることの方が多く、苦手ですらあった。
去年行われた県大会での開会式後、ライバルから、「がんはろうね。」と、声をかけられた。因縁のライバルに声をかけようとする人がいるなんて、とおどろいた。同時に嬉しく、これから始まる試合をもっと頑張ろうと思えた。その後の大会でも声をかけられ、勝ったり、負けたり、時には一緒に戦ったり。そんなことが増えていった。今年も、ライバルとぼくが県大会に出場することになった。県大会では、ぼくからも「がんばろうね。」という言葉が言えるようになった。そして、試合の合問に一緒に他のチームの選手を応援したり、大会後には遊んでお互いぼけたり、つっこんだりして、苦手だったライバルと仲良くできるようになった。
近々行われる大会では隣町と混合でチームを組む。同じチームになり、中堅でライバル、副将でぼくが出場することになった。今までだったら、多分、声もかけられず、気まずい空気が流れていたと思う。でも、今はまた会えることを楽しみにしている。ぼくはこのことを通して、心を開き、勇気を出して声をかけることは、相手がどんな人なのか、何がしたいのか、自分をどう思っているのか、相手を知る上で重要だと感じた。言葉ひとつで、お互い見方も変わるし、気分も変わってくる。だから、これからもぼくは相手のことを考えながら、言葉を選んで伝えたい。そして、この出会いを大切にして、もっと仲を深められるようにしていきたいと思う。
ぼくは、剣道で勝ち負けよりも大切なことに気づけた。だから日頃から相手がどう思うか考え、言葉を選び過ごしていきたい。そして剣道以外のことでも、心を開き、勇気を出して声をかけられるような自分になりたい。
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