【最優秀賞】「経験を生かして育てたきゅうり」 玉井小学校6年 武田優輝

【最優秀賞】
「経験を生かして育てたきゅうり」
玉井小学校 6年 武田 優輝

 昨年の夏のことだ。ぼくは、初めてきゅうりを一人で育ててみた。いつも祖父からたくさんの野菜をもらっているから、その恩返しをしたいと思ったからだ。
 最初は作り方がわからなかったので、インターネットで調べながらやった。種をまいたら水をあげた。そうして1、2週間くらいたったとき、ようやく芽が出た。初めてきゅうりの芽が出たとき、ちょっと感動した。「よし、このまま水をあげればいいんだ。」と思い、毎日水をあげた。
 どんどん葉や茎が大きくなっていった。実ができ始めて、葉はぼくの手ぐらいの大きさにもなったのでおどろいた。成長したきゅうりの実は20センチくらいになった。
 しかし、実がなり安心してしまったせいか、ぼくはスポ少の大会があり、きゅうりを見るのを忘れてしまった。どんどんきゅうりは育っていったが、気がついて見たときは5本くらいしかなっていなかった。
「せっかく恩返しにたくさんあげたかったのに、できなかった。」
その悔しさを、今年の春まで忘れなかった。ぼくは、どうしてもぼくが育てたきゅうりをたくさんとって、祖父にあげたかったのだ。
 今年の春になり、また昨年と同じやり方で世話をした。水も忘れないであげた。2週間くらいたつと、芽が出て花が咲いた。順調にいったとき、またスポ少が忙しい時期がきた。でも今年のぼくはちがう。昨年失敗したことを忘れなかった。ぼくは毎日見に行って、がんばって水をあげた。すると、まず3本できたので、漬物にして食べた。家族は、
「おいしい。」
と言ってくれた。次にとれたら、店で買ったきゅうりと比べようと思い、早くできるのを楽しみにしていた。次にできたきゅうりは曲がっていた。店で売っているものとちがう。でも、食べてみると、自分が作ったきゅうりの方が断然おいしかった。きっと、ぼくが毎日世話したからだと思うと、早く祖父に食べてもらいたかった。
「おじいちゃん、ぼくが一人で作ったきゅうりだよ。食べて。」
2年越しの思いが、かなった。ぼくが一人で作ったきゅうりを祖父に食べてもらうことができた。祖父がとても喜んで食べている顔を見ながら、ぼくも自然と一緒に笑っていた。
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