あだたらの恵

「あだたらの恵」とは
ロゴ
 「あだたらの恵(めぐみ)」は、大玉村が独自の基準を定めて販売するフラッグシップ米です。新しい品種の米ではなく、コシヒカリを中心とした既存の銘柄米で取り組む産地ブランド米です。
 また、あだたらの恵の中でも更に食味と整粒に優れたものについては「特等」の称号を冠して販売します。
表
※令和7年は「コシヒカリ」と「福、笑い」の2銘柄で取り組みをしました。


村で定める基準は以下の5つです


1 .みどり認定を受けている
 みどり認定は環境にやさしい農業に取り組むことに対し認定される制度です。初年度に認定された3名の生産者については、環境負荷低減(温室効果ガスの削減)に取り組む5年間の計画が認定されました。
 
認定


2 .カメムシ防除の空中散布をしない
 出穂直後の米を害するイネカメムシから稲を守るためには、薬剤散布(ラジコンヘリコプターやドローンなどによる)を行うのが一般的です。しかしながら、この薬剤がトンボやミツバチなどにとっては脅威であり、生態系に少なからず影響を及ぼします。このことから大玉村では空中散布をせず、米の色彩選別機で不良米を取り除くことに対し「おおたまのおいしい米出荷奨励事業」として補助を行っております。空中散布は風向き等により薬剤が飛散する恐れがあることからカメムシ防除の空中散布を行わない取り組みとしました。
 
 
3 .食味値88以上を目標とした取り組みをするもの
 米の食味値は70を標準とし、80を超えるとおいしい米とされます。あだたらの恵では食味値の目標を88に設定し、生産者はこれに挑戦します。米は一年に一回しか収穫できないため、技術を反映させるのに年数がかかります。そのような中においても、おいしい米を消費者に届けるために努力を惜しまない生産者が大玉村にはいます。収量を追求するのではなく、稲がおいしさを蓄えるためにあえて厳しい条件で栽培をする、毎日ほ場に足を運び水管理や収穫のタイミングを見極めるなど、今までの経験に加え福島大学の調査結果からノウハウ得て、おいしい米づくりの条件や栽培方法に活かし、食味値88以上の目標を掲げて挑戦する、そのような生産者があだたらの恵を支えています。
 
袋
※食味値88以上となった米については「特等」として販売します
※食味値88未満~84以上が「あだたらの恵」の基準となります

 
4 .大玉村で生産された一等米であること
 大玉村の農地は安達太良山の扇状地として、稲作に適した条件が整っております。村の水田に流れ込む水は、すべて安達太良山を由来とした河川(主に杉田川、百日川、安達太良川)に支えられています。春は雪解け水からなる伏流水が3河川に流れ込み、安達太良山の裾野に広がる水田を満たします。また、安達太良山から吹きおろす通称「あだたらおろし」と呼ばれる風は、昼夜の寒暖差を生み米づくりの好条件をもたらしてくれます。
 
安達太良山と田園風景
 これらの恵まれた自然環境を活かした米づくりができるため、毎年の一等米比率も高いものとなっております。米づくりの好条件が揃った大玉村で作付けされたことと、玄米の品位検査において一等米となったものをあだたらの恵みの基本として設定しました。
 

5 .ふるい目1.9mm以上
 大玉村の位置する中通り安達地区では1.85mm幅のふるい目を使用することが一般的です。あだたらの恵では1.9mm以上の基準を採用しました。これは大きめにすることでより粒の揃った米となり、実際に食した時の口当たりが良く、おいしい米と感じられることから設定しました。
 
 
 
 発売初年度となる令和7年の生産者は3名であり、いずれの生産者も福島大学における村産米の分析調査に協力頂いた方々です。令和元年からの5年間(今回の生産者においては令和6年までの6年間)の分析調査の結果から得られたノウハウを基に、良食味米の生産に向け取り組んでいます。
 
 
 
福島大学による分析調査 ~良食味米の証明~
 従来より高い評価を得ている大玉村産米。味を評価される一方で、高品質をなぜ保てているのか、その理由は証明されていませんでした。
 そこで大玉村では、玄米・精米・炊飯米の微細構造から食味関連形質について、福島大学食農学類の協力のもと調査を行い、「おいしさの見える化」に取り組みました。令和元年より村内8箇所の米について、電子顕微鏡等による分析をし、澱粉・タンパク質、脂質等の貯蔵物質の蓄積構造等を明らかにして、高品質・良食味であることを作物学的・栽培学的に証明しました。
 
米
 大玉村産米はタンパク質含有率・アミロース含有率がともに低くなっています。これは炊飯時のデンプンの糊化(こか)を妨げず、適度な歯応えとともに粘り、やわらかさをもたらします。これは食味の良さに繋がり、大玉村の米のおいしさの理由はここにあります。そして大玉村産米は、過去6年間の調査で一貫した結果が維持されました。つまり、毎年の異なる栽培環境下でも、常に良食味米であることが分かりました。これは村の生産者が古くから続けてきた水稲栽培へのたゆまぬ努力によって作り上げられたものであり、米一粒一粒がその積み重ねの結晶なのです。
 
 
 
おいしい米の産地としての大玉村
村
 おいしい米の産地として昔から高い評価を受けている大玉村。名峰安達太良山から吹き下ろす風と、大地の恵み豊かな雪解け水の清らかな伏流水は、大玉村で生まれる米のおいしさの原点となっています。
 
 風景は季節ごとに様々な表情を見せます。春から初夏にかけて、水田には美しい安達太良山が浮かび、それはやがて清々しい緑となり、収穫が近づくと一面が黄金色に色づき、澄み切った秋空と安達太良連峰が描く稜線のコントラストが楽しめます。すっきりと晴れ渡る冬の間は、長い年月をかけて育まれてきた土が、春の訪れをじっと感じながら、新たな年の作付けに向けて力をしっかりと蓄えています。
 自然環境に恵まれた大玉村は、弥生時代から続く米づくりの名産地です。安達太良山を源流とする杉田川・百日川・安達太良川の扇状地に育まれる良質な土壌を、平安・室町・江戸、そして現代に至るまで、技術と米づくりの心を伝承しながら育ててきました。
 「日本一の米を」その名にかけて、大玉村は伝統と誇りを胸に、おいしさを追求した米をつくり続けます。
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産業課 農政係TEL:0243-24-8107FAX:0243-48-3137