ダム機能

安達太良山の森と、大玉村の水田の持つダム(貯水)機能について

 安達太良山を水源とする大玉村及び本宮町の一部を区域とする、大玉土地改良区の保有水田面積は1,325.9haで、そのダム機能について計算すると下記に示す容量となります。水田の持つダム機能と、それらの水を、保水し、安定して供給してくれる安達太良山の森の偉大さについて考えてみたいと思います。

1 水田面積内訳

 1,325.9ha(平成18年3月現在)
 大玉土地改良区(13,259,000平方メートル)
 玉井地区(700.5ha)、大山地区(523.3ha)、本宮地区(102.1ha)

2 水田の水張り水深

 代掻時水深・・・10~12センチメートル、平均11.0センチメートル
 普通期水深・・・3~8センチメートル、平均5.5センチメートル

3 田植までの代掻で溜められる水の量

 13,259,000×0.11=1,458,490立方メートル(約145万立方メートル)
 三ツ森溜池の1.9杯分
 東京ドームの1.2杯分

4 水田普通期の溜められている水の量

 13,259,000×0.055=729,245立方メートル(約73万立方メートル)
 三ツ森溜池の1.0杯分
 東京ドームの0.6杯分

5 1年間の稲作りに使われる水の量

(田に入れられた水の大部分は地下に浸透し、一部稲に取り入れられる、又、水面、葉面から蒸発散されます。)
  • 田に最初に溜められる水(代掻き水)・・・1,458,490立方メートル
  • 日減水深を補う為の補給水(日管理用水)・・・約15ミリメートル(土質、壌土)

5月10日~9月15日までの125日間
13,259,000×0.015×125=24,860,625立方メートル 
計=1,458,490+24,860,625=26,319,115立方メートル(約2,632万立方メートル)

三ツ森溜池の約35杯分・・・3~4日に1杯を必要とする計算です。
東京ドームの約21杯分

6 大玉土地改良区の水田に使われる水の量を雨量に換算すると

 大玉村の全面積79.46平方キロメートルに、約331ミリメートルの雨が降った雨量に換算されます。
 (26,319.115÷79,460,000=0.331メートル)
 水田に使われる水が直接、雨として降ったとすると、約1,985ミリメートルの雨量に換算されます。この量は年間平均降雨量1,200ミリメートルの1.7倍分です。 
 (26,319,115÷13,259,000=1.985メートル)

7 安達太良山の森

 大玉村の水田に使われる水は、大変な量にもかかわらず、その大切な水を故郷の山、安達太良山の森は、雨水をたくわえながら、杉田川、百日川、安達太良川そして、三ツ森溜池に蓄えられて流れ下り、一年中安定して私達に供給してくれています、これからも、大玉村の母なる山の森を、もっともっと大切にして行かなければならないと思います。

8 参考

  1. 前記の水田面積は、大玉土地改良区の全体の面積ですが、現在は減反政策により、その1/3が転作田となり、そのため現在の大玉村の水田で溜められる水の量は、残念ながら計算した水の量の、2/3しか溜められない状況です。
     
  2. 三ツ森溜池の大きさ(大玉土地改良区資料より)
    貯水量‥・720,0OO立方メートル
    境高・・28.8メートル(堤体の高さ)
    堤長‥・205メートル(提体の長さ)
    満水面積・・8.3ha
    受益面積‥736.1ha(三森溜池の水を利用する水田面積)
     
  3. 東京ドームの大きさ(東京ドーム事務所聞き取より)
    体積・・・124万立方メートル
    面積・・・46,755平方メートル
    高さ・・・56.19メートル
     
  4. 年平均降水量
    (二本松観測所1979~1990年10年間の観測結果より)
    1,200mm/年
資料提供:斎藤眞治氏(大山字谷地)
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