otama village

　大名倉おおなぐら山やまは、本宮市もとみやしと大玉村おおたまむらの境さかいに位置いちし、国道こくどう4号ごうから見みると、採石場さいせきじょうのあとが大おおきな崖がけになっており特徴的とくちょうてきである。また山頂さんちょうからは大玉おおだまのほぼ全貌ぜんぼうを眺望ちょうぼうできる。
　今いまから200万まん年前ねんまえ頃ごろに噴火ふんか活動かつどうした火山かざんだったため、マグマが固かたまって出来できた安山岩あんざんがんが中心ちゅうしんになって大名倉おおなぐら山やまは出来できている。この山やまの安山岩あんざんがんは、鉄てつに富とんでいるので、鉄分てつぶんが酸化さんかし、岩肌いわはだの所々ところどころが赤あかくなっている。

　相生あいおい集しゅうに鶴つる塚づかの言いい伝つたえがある。元禄げんろく年中ねんじゅう、山田やまだ金太郎きんたろう（月岡つきおか某ぼう）というものが君命くんめいによって、名倉なぐら山やまで鶴つるを撃うったところ、その足あしに金きんの札さつがあった。その札さつは、頼らいの字じを残のこしていたが、他ほかは摩滅まめつして見みえなかった。その鶴つるを埋うめたところに塚つかを建たて（名倉なぐら山やまの中腹ちゅうふく）一株ひとかぶの杉すぎを目標もくひょうにしたという。源頼朝みなもとのよりとも公こうが鶴つるを放はなったことは口伝くちづたえにあったが定さだかでない。今いまから数十年すうじゅうねん前まえまで杉すぎやかや榧かやの大木たいぼくが存在そんざいした。しかし、雷火らいかに遭あい、二昼夜ちゅうやにわたって火ひは消きえず、ついに焼失しょうしつして今日きょうに至いたった。その傍かたわらに山王さんのうを祀まつり、日吉ひよし神社じんじゃと称しょうし、今いまなお小姓こしょう内ない集落しゅうらくで祭礼さいれいを執行しっこうしている。

福島県ふくしまけん本宮市もとみやし青田あおた