小名倉山の「石造大日如来坐像」及び「石造龍樹菩薩坐像」

小名倉山の「石造大日如来坐像」及び「石造龍樹菩薩坐像」
名称:小名倉山の「石造大日如来坐像」及び「石造龍樹菩薩坐像」
指定区分:有形文化財彫刻
員数:2躯
所在地:大玉村玉井字小名倉山18番地4 日吉神社境内
管理団体:小姓内屋敷世話人
指定月日:令和6年12月19日

 福島県安達郡大玉村玉井の大名倉山(標高576m)の東側ふもとにある小姓内地区(現在の玉井字中道・五里田付近)は、古くは山王信仰が盛んであった。大名倉山八合目あたりに、日吉神社を造り、さらに、山中の大きな岩に山王二十一尊を彫り奉納した。明治時代の廃仏毀釈でも被害を免れ、また、神仏分離があったが、現在も年1回行われる春の例祭には真言宗・相応寺住職が読経を奉納している。
 昭和30年代の高度成長期には、大名倉山において石材採取が行われ、山王二十一尊までも石材として利用されたが、昭和40年(1965)ごろ現存する2躯が地元の方々の熱意により保存に至った。
 その頃小名倉山地内に日吉神社も建て替えられ、その参道左側に「石造大日如来坐像」、右側に「石造龍樹菩薩坐像」が据えられた。
 「石造大日如来坐像」は、頭には冠を着け、手指のかたちも大日を示す智拳印を結んでいる。また、像向かって右側に「大日」と線刻がある。像高39.5cmである。
 「石造龍樹菩薩坐像」は、光背があり、頭髪を剃り合掌をしている。像高41.7cmである。龍樹菩薩は県内でも絵画・彫刻とともに作例がほとんどなく、非常に貴重なものである。
 また、両石仏ともに脚部の大きいふくよかな造形で、江戸時代に造られたものと考えられる。
 本石仏は、大名倉山を中心に山王信仰が盛んであったことを示す貴重な民俗文化財であり、大玉村指定文化財として保存を図っていくことが必要である。

※大名倉山 山の名称(通称名倉山)
 小名倉山 地区の名称
 
このページの情報に関するお問い合わせ先
教育委員会生涯学習課TEL:0243-48-3139FAX:0243-48-3493