【佳作】僕のお兄ちゃん 大玉中学校2年 渡邉雷輝

僕のお兄ちゃん
大玉中学校2年 渡邉 雷輝
 僕には、双子の兄がいます。同じ中学二年生だけど、歩くことも自分で座ることもご飯を食べることもトイレに行くこともできません。
 僕たちは、生まれる予定が二月だったけれど予定よりも三ヵ月早い十月に生まれました。ぜんぜん覚えていないけれど僕は、目の手術を何回もしました。今は、定期的に病院に通っていてメガネだけで特に日常生活に支障はないけど兄の方は、足を使うことができないし、右手も使うことができないし、薬なども飲まないと発作が起こり、危ないので毎日薬を飲まないといけません。
 僕達が当たり前にできる座る事、立つ事、歩く事、話す事、ご飯を食べる事が兄は、一人ではできません。だから、兄とは、保育所の頃から、違う所に通っていました。
 僕たちは、小さい頃から病院に通うことが多かった。小さく生まれたから定期的に検査を受けなければいけなかったし、体調を崩すこともいっぱいあったからです。
 兄は僕より体も弱く、入院することが多くお母さんが近くにいてあげないといけないし入院ばかりしていたから、僕はその間おばあちゃんの家にいたそうです。
 小学校の頃、友達が兄弟で遊んだり喧嘩している話を聞き羨ましく思ったことがありました。
 兄は入院してることが多かったから車などで遠くに出かけると体調を崩してしまうので遠くに出かけることはほぼなかったのです。
 兄は車椅子だから家族みんなで出かけるときは、荷物も多いしのせたりおろしたりするのが大変だから、少し買い物に行くだけでも普通の人よりは少し時間がかかります。
 兄弟で一緒に歩いて遊びに行ったり、喋ったりすることが普通の人とは違って難しいし早く行きたくても行けないからイライラすることもありました。
 前は出かけるときなどは兄のことをあまり気にしていませんでした。でも小学校四年生頃周りの視線を気にするようになりました。その理由は、店のドアを開けて中に入るだけで大声で叫び、それを聞いた周りの人の視線が僕は嫌だったからです。だから兄とは外食も買い物も行きたいとは思いませんでした。
 家族みんなで泊まりに行った日も、みんなで夜ご飯を食べる時など大声で母や父と喋ったりしているのが少し恥ずかしかったです。でもそれは兄がうれしいから大きな声で喋っているだけです。今なら僕は兄の気持ちが分かるけど、他の人は、兄がいきなり大きな声を出しているからそれにびっくりしてジロジロ見たり嫌な顔をしたりしているのが嫌でした。
 部活の大会の日は、兄と母と父が応援に来てくれたけれど、僕はみんなどんな反応をするか気になっていました。けれども何人かの友達が兄に優しく接してくれたから、びっくりしたけれど、うれしかったです。兄が大きな声を出したり、体が大きいのに親に抱っこしてもらっていたり、車椅子だし、恥ずかしかったから本当は来てほしくありませんでした。けれども優しく接してくれた友達のおかげで僕は恥ずかしいとは思わなくなっていました。今でも少し恥ずかしいと思うことはあります。しかし、生まれたときから生まれもったものだから仕方がないと思うのです。でも、そのことをバカにしたりするのは、おかしいと思うのです。僕も兄のことを少しバカにしていたときがありました。今は、反省するべきことだと思っています。
 兄は勉強もしなくていいし、テストも受けなくていいから、ずるいと思ったことはあります。けれども兄は、僕が好きなバスケができません。勉強はしたくてもできません。だからこそ僕は兄の分までがんばって、兄の分まで楽しく生活したいと思っています。
 世界中にはいろいろな人がいます。例えば元気な人、車椅子の人、障害をもっている人今も病気で苦しんでいる人。
 人はみんな同じなのに、少し違うだけで、差別をしたりする人がいます。人は全部が全部同じではありません。でも障害があったりするだけで、自分とは全く違うと思い込み、いじめたりする人がいるのです。ただでさえ不便な生活でつらい思いをしているのに、不便なく生活している僕たちが、障害をもっている人たちを助けることはあたりまえのことなのではないでしょうか。