【優秀賞】勇気を出して 大山小学校4年 武藤明莉

勇気を出して
大山小学校4年 武藤 明莉
 今日は友達と何をして遊ぼうかな。どんな話をしようかな。わたしは朝起きると、毎日そんなことを考えながら、学校に行くじゅんびを始めます。わたしは、友だちと会えるのがうれしくて、学校へ行くのが楽しみです。休校の時は、最初はうれしかったけど、友だちに会えないのがさびしくて、早く学校へ行きたいな、早く友だちに会いたいなという気持ちになっていました。
 そんなわたしも、一年生の時には、学校へ行きたくなくて、毎朝泣いていた日がありました。
「おはよう。」
と声をかけても返事が返ってこなかったり、
「遊ぼう。」
と休み時間に声をかけても、
「今、ほかの友だちと遊んでるから。」
と言われたりしたことがありました。毎日のようにむしされたり、なか間はずれにされたりしました。なぜ、いじわるするのかな、わたしは悪いことをしたおぼえはないのにな、と思っていました。ときどきいじわるされない日があると、やったとほっとしました。
 ある日の休日に楽しそうな声がしたので、外へ行って、
「まぜて。」
と言おうとしたら、
「一しょに遊べないよ。」
と言われてしまいました。泣きながら家に帰り、お母さんに、
「くよくよしないで、言い返しなさい。」
と強く言われました。
「そんなことできないよ。」
と言って、またなみだが出てきました。
 次の日、わたしは思い切って手紙を書くことにしました。あいさつをしても返事がなくてがっかりしたこと、遊びにまぜてもらえなくて悲しかったことを正直に書きました。そして、昼休みに少しこわかったけど、渡しました。いじわるをしていた友だちは、だまって受け取ってくれました。
 次の日から、いじわるされることはありませんでした。今では、休み時間にもいろいろ話をしたり、一しょに遊んだりすることも多い友達になりました。
 わたしはあの時、勇気を出して、自分の気持ちを手紙に書いて伝えてよかったと思いました。お母さんに言われた時には、そんなことできないと思ったけど、正直に自分の気持ちを伝えたから、友だちも気づいてわかってくれたのかなと思いました。あのときのわたしのように、もし今、いじわるをされてこまっている人がいたら、
「勇気がいるけど、やめてって声に出して伝えることも大事だよ。がんばれ。」
って言いたいです。そして、わたしは、そういう人のそばに行って、一しょに応えんしてあげたいと思います。いじわるする人も、いじわるされる人もなくしたいと思います。あの時のかなしみがなくなりますように。