【佳作】みんなが笑顔の未来へ 玉井小学校6年 野内海星
みんなが笑顔の未来へ
玉井小学校6年 野内 海星
同じ人間として生まれてきたのだから、だれもが幸せに笑顔で暮らせる世界になってほしい。最近、ぼくはそのことを強く感じるようになりました。そう考えるきっかけとなった二つの出来事を目にしたからです。その一つ目は、アメリカで起きた黒人差別のニュースです。警察官四人がにせ札使用の通報を受けスーパーにかけつけ、黒人男性の首を八分以上もの間ひざで圧迫し、その黒人男性は命を落としてしまったそうです。
「息ができない。助けてくれ。」
と、その黒人男性は助けを求めていたのに、また周りで見ていた人たちも解放してあげてほしいと何度もお願いしていたのに、その警察官はひざをどけようとしなかったと聞いたとき、ぼくは不思議でたまりませんでした。すでにその人の手をおさえたのに、どうしてひざをどけてあげなかったのかと。その後、黒人に対する差別をなくそうとアメリカでたくさんの人がデモに参加し、
「ブラック・ライブズ・マター!」
とさけんでいるニュースを見て、肌が黒い人たちがいわれのない差別を受けていることを知ったのです。ぼくは、同じ人間なのに肌の色のちがいだけで差別されてしまうのはとても悲しいことだと思います。そして、肌の色や見た目だけで人を判断してはいけないと思いました。ぼくの祖父とおじは警察官の仕事をしていますが、だれかを差別するようなことは絶対にしないそうです。そう話す二人はかっこよく、ぼくはとても尊敬しています。力の強い立場にある人は弱い立場の人を守ってあげる行動をとることが大切だと、ぼくは二人のすがたから学べました。
二つ目は、新型コロナウイルス感染症にかかっていないにもかかわらず、感染者数の多い地域から帰省したという理由だけで「帰ってくるな」と非難された人がいるというニュースを見たことです。非難する側の人にとっては自分が感染してしまうかもしれないという不安から、そう言ってしまったのかもしれません。でも、言われた人の心は深く傷つくと思います。もし、自分が言われた方の立場だったらと想像した時、くやしい気持ちがこみあげてきました。自分だけのことを考えるのではなく、自分も相手も笑顔になるようにするにはどうするかを考えて発言したり行動したりすることで、このようにいやな思いをする人は少なくなるのではないかと思うのです。
差別のない平和な世の中にするには、まず相手のことを大切にしようと意識していないとできないのだということを、二つのニュースはぼくに教えてくれた気がします。世界から差別やいじめをなくすために今のぼくができることは、周りの人達の気持ちを思いやり、年下の人たちには優しく接することです。みんなが笑顔で暮らせる未来に向かって、まずは自分から行動していきたいです。