【佳作】ひいおばあちゃんがんばって 大山小学校4年 遠藤愛呼
ひいおばあちゃんがんばって
大山小学校4年 遠藤 愛呼
「あんた、だれだい。」あんなに私をかわいがってくれたひいおばあちゃんの一言。私は、びっくりして何も言えませんでした。その一言を、会うたびに、何度もくりかえされるようになりました。
「なんでそんな事を言うのかな。」
と不思ぎに思う気持ちと、私をわすれちゃったのかなという悲しい気持ちでいっぱいになりました。
お父さんに聞いたら、
「ひいおばあちゃんは、にん知しょうなんだよ。」
と教えてくれました。今では
「今日は何日、何曜日だっけ。」
「愛呼は、何年生だっけ。」
といろいろなことを一日に何回もしつ問されます。私は、だんだんイライラしてきます。
「ハイ、ハイ。」
とあきれたように返事をしたり、
「さっき教えたよ。」
といじわるを言ってしまいます。
でも、ひいおばあちゃんがぜったいにわすれないことがあります。それは、小さいころのことと、四年前に亡くなったひいおじいちゃんのことです。
「愛呼ちゃんは、私とにているから、やさしくてまじめなんだよ。」
といつもその言葉で、お話が終わります。もしかしたら、ひいおじいちゃんがいなくなって、さみしいから、私に昔の思い出を教えたいのかなと思いました。みんなをイライラさせたくて、何度も言ってしまうわけではなくて、大切なことをわすれてしまうんじゃないかと、ひいおばあちゃんも心配なのかなとも思いました。そう考えると、私の今までの言葉やたい度は、ひいおばあちゃんを悲しませていたかもしれません。悪いことをしちゃったなとはんせいしました。
ひいおばあちゃんは、これからもどんどんわすれてしまうことがふえていくと思います。でも、いやな顔をする前に話を聞いてあげようと思います。なぜならひいおばあちゃんとすごす中で、相手の気持ちを考えることができるようになったからです。今度、
「だれだい。」
と聞かれたら
「愛呼だよ。覚えてる。」
と答えたいです。いつも、
「ここにおいで。」
とやさしく私を呼ぶひいおばあちゃん。私をかわいがってくれる気持ちは、ずっと同じです。これからは、私がひいおじいちゃんの代わりに、学校での出来事や楽しかったことをたくさん話してみようと思います。昔の話にも、何度でもつきあってあげたいです。話終わったあとに、
「そうかい。そうかい。良かったねぇ。」
と言ってほっとしたようにわらう顔が、いつまでも見られるように、そっとおうえんしたいと思います。