【特選】妹に気づかせてもらったこと 玉井小学校5年 渡邊祐伽
妹に気づかせてもらったこと
玉井小学校5年 渡邊 祐伽
私には妹が二人います。一つ下の妹は、一年生のときに左うでをこっせつしました。きん急手術をして、地元の病院に入院することになりました。私がお見まいに行けたのは、手術の次の日でした。妹はうでに包帯をまき、「いたい。」
と言って泣いていました。その姿を見て私はとてもかわいそうだと思いました。
妹の入院中、お母さんは毎日付きそい、家に帰って来るのがおそくなる日が続きました。まだ二年生だった私は、妹を心配するより、お母さんが帰ってくるのがおそく、いっしょに過ごす時間がないことの方がさびしくて、「妹がこっせつしたからだ。」と、せめる気持ちの方が大きくなってしまいました。病院にお見まいに行くたびに私は、妹にきつくせっしてしまいました。
そんなとき私は、ふと自分がインフルエンザにかかったときのことを思い出しました。ずっと部屋でねていて、とても苦しかったけれど、お母さんがずっと私のそばでかん病してくれて、とてもうれしかったのを覚えています。でもその間、私と同じように、妹たちにもさびしい思いをさせていたことに気がつきました。でも妹たちは、何一つもんくを言わず、
「治ってよかったね。」
といっしょによろこんでくれました。
私は、妹がつらい思いをしている中、「妹がこっせつしたからお母さんは家に帰って来るのがおそいんだ。」とせめて、ひどいことをしてしまいました。自分のことしか考えられていなかったことに気づいた私は、そのことをずっと気にかけていました。妹に対して何かできることはないかと思い、お父さんにたのんで、お見まいに行く前に妹の好きなアニメのシールと、「早くうでが元どおりになるといいね。」と書いた手紙をわたすことにしました。妹は
「ありがとう。」
と言ってとてもよろこんでくれました。その「ありがとう。」という言葉がずっと心に残っています。自分がしたことによってだれかによろこんでもらえると、自分もとてもうれしくて心があたたまること、そして相手も自分も気持ちがよくなることが分かりました。だれかが困っていたり苦しんでいたりしたら、自分ができることをしてよろこばせてあげたいです。
この経験を通して、私はかんごしになるという夢をもつことができました。そのためには、人にやさしくせっし、困っている人を助けられるようになりたいです。また、人は一人では生きていけないということも学びました。人はだれかを助け、だれかに助けられて生きています。これからも人に親切にし、だれかに助けてもらったときは感謝の気持ちをもって生活していきたいと思います。