【優秀賞】みんなの大切な命を思うこと 大山小学校5年 矢崎友里
みんなの大切な命を思うこと
大山小学校5年 矢崎 友里
「あなたとあなたの大切な人の命を守るための行動を」と、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、休校になったころから、テレビや新聞で毎日のように報道されてきました。大切な人の命。頭では分かっていても、心から理解することはとてもむずかしいことです。私の祖母は、二年前に交通事故で亡くなりました。車内に落ちた車検証をひろおうと、よそ見運転をしていた車が、祖母の命をうばいました。あの日、家の勝手口には、さつまいもが置いてありました。祖母は、私が大好きなさつまいもの天ぷらか大学いもを作ろうと用意していたのだと思います。でも、祖母に本当は何を作ろうとしていたのか聞くことも、祖母の料理を食べることもできなくなってしまいました。とつ然、祖母が亡くなって初めて、大切な人の命のとうとさを心から感じました。
祖母のおそう式までの間に、私は弟と折り紙でおすしを折って、祖母のためにおべん当を作りました。でも、新型コロナウイルスで亡くなった人は、家族に見守られることなく火そうされて、いこつになって家に帰ってくることを知りました。亡くなった人の家族の気持ちを考えると、私は祖母を見送ることができて良かったと思ってしまいました。
「あなたの大切な人の命」を守るために、病院や介ごしせつで働いている人がいます。医りょう現場では、新型コロナウイルスに感せんしない、させないための仕事が増えているそうです。それなのに、かんごしさんが、タクシーの乗車をことわられることや、子どもを保育園であずかってもらえないことが、全国であったそうです。
私は、四月十五日の福島民報新聞の日本かんご協会会長の福井トシ子さんへのインタビュー「かんごしょくに理解と支えんを」で、かんごしさんへの差別やへん見を知りました。福井トシ子さんは、大玉村出身ということを知り、とても親しみを感じ、ほこりに思いました。福井さんは、
「東日本大しん災を経験した福島のみなさんなら、かんごしょくへの差別、へん見をもたず、リスペクトしていただけると信じます。」
と、おっしゃっています。
私にとって 「あなたの大切な人の命」とは、家族や友達ですが、医りょうの最前線で働くお医者さんやかんごしさんは、「あなたの」だけでなく「みんなの」大切な命を守るために働いています。新型コロナウイルスはこわいです。でも、学校が始まり、少しずつ日常生活ができるようになってきたのは、自分の仕事にほこりを持ち、命と向き合う医りょう現場のみなさんのおかげです。私にできることは、私だけ、私たちだけが良ければと思うのではなく、みんなを思い、行動することだと思います。私もしょう来は、自分の仕事にほこりを持って、「みんなの」役に立てるよう働きたいと思います。