【佳作】本当の思いやりとは 玉井小学校6年 小沼駿斗

本当の思いやりとは
玉井小学校6年 小沼 駿斗
 二〇二〇年三月。
 突然、三密やステイホーム、クラスターなど、今まで聞いたことがない言葉が次々と出てきました。それは、世界各地で、新型コロナウイルスに感染した人が増えたからです。
 このウイルスの影響で、ぼくは、学校にも行けなくなり、大好きなサッカーもできなくなりました。楽しみにしていた、大阪府でのサッカーの交流会にも参加できなくなりました。本当に、家にいるのはつまらない、友達に会えないのも、遊べないのもつらいです。東京で看護師をしている親せきもいます。とても心配です。ぼくだけではなく、世の中でこのウイルスを不安に思っている人がたくさんいます。だから、感染防止策をきちんと出している国があります。しかし、それを守らず、海外に行く人もいることを知り、ぼくは、
「なんで行くの。ふざけるなよ。」
とニュースを見ながら思いました。だけど、アナウンサーは、
「感染したくて、感染している人はいません。今は、海外に行った人たちを責めるのではなく、感染した人たちの回復を祈りたいと思います。」
と話していました。ぼくは、この言葉を聞いて、
「確かにそうだな。」
と考えが変わりました。そして、村の放送でも村長さんが、
「大玉村でも、初めて感染者が出ました。でも、大玉村では、差別などがないことを信じています。」
と話していました。「願います」ではなく、「信じています。」という言葉に、村長さんの強い思いを感じました。大玉村は、日本一きれいな村だから、一人一人の気持ちもきれいであってほしいなと、ぼくは思います。
 コロナウイルスが終息したら、ぼくはやりたいことがたくさんあります。クラスの友達と勉強したり、遊んだりしたいです。ぼくは、六年生で、最高学年です。学校の顔として、全校生の手本になりたい、リーダーとしてみんなを引っ張っていきたいです。そして、サッカーでは、ゲームキャプテンになったので、早く試合をしたいです。その他にも、まだまだやりたいことがたくさんあります。
 でも、こういうときだからこそ、当たり前の生活、例えばサッカーをする、学校に行く、家族と笑い合う、けんかをすることがとてもかけがえのないものだったこと、どんなに幸せなことなのかが、分かったような気がします。
 今、みんなのためにがんばっている医療従事者の方々の努力をむだにしないために、大切な人を守るために、私たちに今、できることは何か。それは、一人一人が責任ある行動をすること、みんなのためにがんばっている人たちへの感謝の気持ちをもつことが大切だと思います。一日でも早く、元の生活に戻れることを、ぼくは信じています。