【佳作】 LGBT

大玉中学校3年 渡辺 蒼依
 
 みなさんは「LGBT」という言葉を知っているだろうか。LGBTというのは、性的少数者のことである。Lはレズビアン(女性同性愛者)を意味しており、Gはゲイ(男性同性愛者)を意味している。Bはバイセクシャル(両性愛者)を意味しており、Tはトランスジェンダー(性同一性障害を含む性別越境者)を意味している。このような性的少数者は、差別されることが多い。
 たとえば、いじめの標的になる。少しばかり他人と好みが違うだけでいじめられ、自殺してしまうことだってある。今テレビに出ているオネエタレントも、性的少数者であるがゆえに学生のころはいじめられていた。今までにおこったいじめの事件の原因でも、いじめられっこが性的少数者だったこともあっただろう。性的少数者をいじめている人達は、自分が恋愛対象になっているかもしれないと怯え、迫害する。直接いじめていない人達も、いじめている人達と同じように怯えて、性的少数者に嫌悪感をいだく。自分が性的少数者であることや、いじめられていることを家族や教師に言えず、自殺してしまう人がでてくる。自分でいじめを乗り切る人もいるが、そんな人はごく稀だ。それに、学校でのいじめを乗り切ったからといって、その先の人生が平和だとは限らない。
 性的少数者への差別は、学校だけではなく、会社でもおこる可能性がある。いろいろな地域から人が集まってくるため、自分と同じ性的少数者と会うこともあるかもしれない。そして、その人と付き合うことになるかもしれない。そうなると、もし他の人にバレてしまったとき、自分や自分が好きになった人が差別されてしまう。そして、相手のことを守るために退社したり、自分達が付き合っていたのではないと他人に認めてもらうたに、相手にきつくあたったりする人がでてくるかもしれない。せっかく愛し合っていたのに、他の人のせいで別れなければいけなくなってしまう人がでてきてしまうかもしれない。
 性的少数者に関することで差別されているのは、性的少数者だけではない。性的少数者同士の恋愛を好んで見る人々(腐女子・腐男子など)も性的少数者達へのよりはかるいが、差別されている。腐女子・腐男子という言葉がいい例だ。見て分かるように、性的少数者同士の恋愛を好んで見る人々をあらわす言葉には「腐」という字がつかわれている。この字は「腐る」「腐敗」といった食べ物などが悪くなるときにつかわれることが多い。つまり、腐女子・腐男子というのは悪くなっている女子、悪くなっている男子ということになる。彼女らはただ、人間同士の恋愛を見ているだけなのに、悪くなっていると言われるのだ。それゆえに、自分の趣味を他の人に言うことができず、自分らしく生きれなくなる。同性が恋愛している本を買いたくても、コーナーにいるところを知り合いに見られないかとか、レジにもってって店員にどう思われるかとかを考えて買うのに抵抗を感じる人がでてくる。そしてそういった人は、インターネット上にある同性で恋愛している小説や、マンガをみるようになる。親に知られたくないため自分の部屋で見ることになる。そうすると、だんだん部屋から出てこなくなり、引きこもりになってしまう。それは親にとっても本人にとってもよくないことである。
 私達の「恋愛は男女でするものだ」という思い込みは、たくさんの人の自由を奪ってしまう。お互いに愛しあっているのなら、他人が口をはさむべきではない。それは同性同士であったとしてもだ。そういう人もいるのだと思い、認めていくことが大切だと思う。
 現に世界では、同性婚を認めている国もある。日本でも渋谷区では認められている。
 自分の常識と違うからといって他人を否定するのではなく、そういう人もいるのだと思うようにしてほしい。しかし、どうしてもそう思えなかったり、嫌悪感をいだかずにはいれなかったりする人もいるだろう。そういう人は認めなくてもいいから、その嫌悪感をいじめや差別といったかたちであらわさず、心の奥にしまってほしいと思う。誰もが自分の趣味や、性癖をかくさずに笑っていられる世の中になればいいと、私は思う。
 
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