【佳作】 もう一度思い出そう震災

大玉中学校2年 緑川 颯
 
 最近のニュースには、「東京オリンピック開催」や「安保法制」などが多く見られます。しかし、2011年、3月11日に起きた東日本大震災のニュースは、ほぼ見られないようになりました。人々の記憶も年々薄れているように感じます。
 私も、近ごろは震災のことを考えないで過ごしているし、友達もそうだと思います。でも、ふとした時に思い出すと、まるで昨日のことのようにそのときの情景、気持ち、まわりの様子が浮かんできます。きっと、人々は、特に被災した人たちは、震災のことを考えないのではなく、震災のことを考えたくない、思い出したくないのではないでしょうか。震災で家をなくした人もいるでしょう。家族を亡くした人もいるでしょう。これまでの人生で感じたことのない大きな「絶望」を感じた人は、数え切れないほどいるはずです。被災した人たちにとって、「震災の記憶」は、心の奥に留めておきたいものです。しかし、思い出すたびに涙が出たとしても、家や家族は帰ってこなくても、「震災の記憶」は絶対に忘れてはいけません。
 なぜなら、また震災が起き、悲劇が起きる可能性があるからです。地震というものはいつ起こるか分からないし、日本は地震が多い国で、大地震が起こる可能性は高いでしょう。その時のために、震災を知っている人が、つらくても、自分の子どもや震災を知らない世代に「伝える」ことが大切です。大震災のことを知っていたとしても、大きな被害を防ぐことはできません。でも、一人でも多く生きのびてほしいのです。例えば、大震災を知らない人が突然来た大地震にうろたえ、どうしたらいいか分からないで死んでしまう、そんな事は起きて欲しくありません。震災を知っている人が伝えられることは、わずかであっても、少ない人数にだけであっても、伝えなければいけません。一人でも多くの命を救うため、自分も含め、みんなで教えていければと思います。
 そして、震災のときに私たちのために支援をしてくださった方たちがいたからです。食料を送ったり、お金を寄付したり、コンサートやライブを開いたりと様々なことで支援してくださいました。そのことを忘れてしまっては、支援してくださった人に失礼です。それに、もう一度震災が起きたときにだれも助けてくれなくなってしまいます。支援してくださった人たちへの感謝も込めてこのことを忘れてしまってはいけません。そして、他の地域で震災が起こったときに「恩返し」できたらいいなと思います。
 さらに、震災の影響で今なお苦しんでいる人がいるからです。家に帰れない人もいれば、風評被害などで農業や漁業で困っている人もいます。もうほとんど報道はされないけれど、家に帰れるのは、何十年も先だという人も多いし、「福島県産」というだけで農作物を買ってもらえないような人もたくさんいます。震災のことを忘れてしまうと、自然とその人達のことを忘れてしまうということになってしまいます。私はそのような人たちにいつか寄付をしたいと思っています。全員に「寄付をしてください」とは言えないけど、そんな人たちがいるということを念頭に置いて、生活してほしいと感じます。
 私は震災が起きたとき、小学校にいました。机の下にもぐりながら初めて経験する大地震への恐怖におびえていたことを覚えています。そして、その後テレビで見た悲惨な光景や苦しむ人々たちから、自分の無力さを痛感しました。しかし、私はこの震災から「家族がいる幸せ」や「家がある幸せ」というのを改めて感じたし、何より「生きる喜び」というものを実感することができました。家族を亡くしたり、家がなくなったりした人たちよりどんなに恵まれているかを感じました。私はこの震災のことを絶対に忘れず、この震災から学んだことを今後の生活に生かしていきたいです。
 
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