【佳作】いとこ 

大山小学校 5学年 大矢 学永 
 
 ぼくにはいとこが二人います。二人とも障がいを持っています。
 ぼくの家の近くに住んでいるいとこは、車いすに乗っています。ぼくは、ときどき、そのいとこから車いすを貸してもらって乗っています。げんかんから、みんなのいる部屋まで行く練習をしています。ちょっとの段差や曲がり角などを進むことが、とてもむずかしいです。夢中になって乗っていると、
「ぼくの車いす、返して。」
と言われてしまいます。けれども、もう少し乗りたいので、
「もう少し貸して。」
と言うと、
「いいよ。」
と言ってニコニコして、ぼくが車いすに乗っているところを見てくれています。
 もう一人のいとこには会ったことがありません。お母さんに聞いてみると、小さいころにいっしょに遊んでいた時の写真を見せてくれました。
「東京に住んでいるんだよ。」
と教えてくれました。ぼくが、
「会ってみたいな。」
と言うと、お父さんが東京のおじさんに電話をしてくれて、会うことになりました。じいちゃんとばあちゃんもさそって、九人で食事をすることになりました。
 しかし、約束の日の一週間前になったときに、おじさんから電話がありました。
「思い通りにならないと、あばれたり、小さい子をいじめたりするので、学永にけがをさせたら困るから、おれだけいくね。」
と言われました。そのことを聞いて、とても残念でした。じいちゃんに、いろいろ聞いてみたら、
「東京の子は、ずっとすわってもいられないし、とにかくいつも動いているから大変なんだよ。」
と教えてくれました。
 そのときぼくは、みんなでお世話をしたり、遊んだりすれば大変ではないのではないかと思いました。障がいがあっても、なくても、みんなで協力し合い、困っている人がいたら、助けてあげることが大切だと思いました。
 障がいを持っている人や、その家族が生活していくことは大変だと思います。しかし、その人たちの気持ちを理解して、困っていることには手を差しのべて、助け合って生活していくことが大切だと思います。そして、障がいを持つ人やその家族が、何の不自由も感じなく生活していける社会になってほしいと思います。
 今回は、東京のいとこには会えませんでしたが、お父さんが、
「今度、東京に会いに行こう。」と言ってくれました。
ぼくには、いとこがこの二人だけなので、ずっと二人を助けながら仲良くしていきたいと思います。

 
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