【優秀賞】思いやりのかたち 

玉井小学校 5学年 押山 結奏 
 
 四月、私は5年生になってクラスがえがありました。新しいクラスのみんなで、どんな学級目標にするか話し合ったとき、「思いやり」と言う言葉を大切にする学級にしたいという意見がたくさん出され、何度も話し合った結果、私たち5年2組の学級目標は「ちいむ」と決まり、その中の「い」が「いつも笑顔で思いやり」という合言葉になりました。
 それまでの私をふり返ってみると、人を思いやったり、だれかのために行動したりすることは全然してこなかったと思いました。5年生になり、思いやりがクラスのみんなでがんばることの一つになって、私はどうしたらいいのだろうと、迷いました。
 そんな時、同じクラスのある男の子の行動が私の目にとまりました。その子は朝学校に着いてから朝の読書タイムが始まるまでの間、委員会や係、当番の仕事がないときはいつも時間ぎりぎりまで、ろう下や階だんなどをほうきではいてきれいにする、おそうじボランティアをしていました。私はそのすがたを見て、「どうしてそこまでしてボランティアをするのかなあ。」と、不思議でたまりませんでした。その子はおそうじの他にも、ファイルやノートを配る時、進んでお手伝いをしていました。その時も私は「当番でもないのにどうして?」と、不思議でたまりませんでした。私は思いきってその子に聞いてみることにしました。
「どうしてそんなに一生けん命ボランティアをするの。」
私がたずねるとその子は、
「学校がよごれているのを見のがすことはできないし、きれいにすればみんなが気持ちよくなるからだよ。」
と答えてくれました。その言葉に、私ははっとしました。その子は自分のことより先にみんなのことを思って行動しているけれど、私は自分のことを優先してみんなのことは考えていなかったことに気付きました。その日の朝、黒板には「ボランティア活動をしよう。考え→実行!」と、先生からのメッセージが書かれてあったことを思い出した時、私は自分は変わったと思いました。
 次の日から私は、友達といっしょに朝のおそうじボランティアをするようになりました。すると、ある友達に、
「ありがとう。気持ちがいいね。」
と言われました。私の心はうれしさでいっぱいになりました。そして、あの時男の子が言っていた言葉の意味が本当に理解できた気がしました。
 思いやりは、心で思っていることを行動で表すことで初めてまわりの人達に伝わるものだと思います。私は、目に見えない「思い」を行動で「かたち」に表し、これからもボランティアを続けて、一人でも多くの人をいい気持ちにしてあげたいと思います。

 
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