【優秀賞】当たり前が幸せ 

大玉中学校 3学年 渡邉 花音 
 
 私は、学校から配られたプリントの中から、募金の紙を手に取りました。それは、世界で病気とたたかっている子どもの命を百円の募金で薬にし、助けることができるという内容でした。そこで、自分と家族で、百円を募金することにしました。
 ユニセフとユニセフ協会は、すべての子どもの命と権利を守るため、最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、百九十の国と地域で活動しているそうです。具体的に、六十八円でビタミンやミネラルが含まれた微量栄養素パウダー三十袋。緊急時においても、食事に混ぜて摂取できるものや、一円でビタミンA欠乏症やはしかによる合併症を予防・治療するための、ビタミンAカプセル一錠になるものなどがありました。私は、これらの予防接種を受けている子どもたちはどのような生活をしているのかを調べてみることにしました。
 バングラディッシュの首都ダッカにいるミナさんは、毎朝五時に人でごったがえす巨大市場に出かけ、落ちている食べ物を拾ったり、店をまわって物乞いするそうです。店の主人が見せる嫌な顔、どなられたり、無視されたり、ひどい言葉をあびせられても「何かください」と繰り返して、午後は、ゴミ山に移動して売れるものを探しています。車にひかれて大けがを負った翌日も動かせる方の手足を使い、市場で物乞いをし、ゴミ山で売れるものを探したそうです。それは、六人の家族を支えるため。今日の食べ物を得るために十二歳のミナさんは生きています。これは、今の日本では考えられないことだと思いました。生きるために必死に働くミナさんの少しでも力になりたいです。苦しすぎる生活の中でもミナさんは、大きくなったら先生になりたいという夢を持っていました。この気持ちの強さに驚き、感心しました。また、毎年、数百万人の子どもたちが重度の急性栄養不良により、命の危険にさらされているそうです。栄養不良とは、健康に育つためのバランスのとれた栄養が摂取できていない状態を指し、健康に育つことができないだけでなく、病気にかかりやすくなったり、治りにくい原因となるそうです。栄養不足が原因で五歳未満で命を落としてしまう子どもたちが世界にたくさんいると知り、毎日食事を取ることができる日本は幸せな国だと感じました。一方、栄養不良で人生を脅かし続ける現実を変えていかなくてはならないと思いました。これが原因で幼いころの知能や身体の発達が遅れ、その後の子どもたちに大きな影響をもたらしてしまいます。これを少なくし、夢をもたせられるように、ユニセフなどの支援活動をたくさんに人々に知ってほしいと思いました。そのほかにも途上国の女の子の生活は、男の子より生きることが難しいことが分かりました。南アジアでは、女の子はお金を稼げない、結婚するときに持参金が必要なのでお金がかかるなどの理由で、生まれてくることを許されないことが多いそうです。水くみ・ご飯の用意・幼い子供の世話は女の子の仕事なので、勉強時間も取れなく、負担がかかってしまっていました。また、暴力・人身売買の標的にされたり、男の子が病気になると病院に連れて行ったり薬を買ったりしますが、貧しい家庭では、女の子のときは何もしないことがあり、五歳まで生きのびることは、女の子にとって男の子より難しいそうです。私は、当たり前に学校に通い勉強したり、そこから自由に人生を選ぶことができます。でも、途上国の女の子にとってはできないことだと分かり、当たり前を過ごせることが幸せだと思いました。
 私は、世界の栄養不良の子どもたちや途上国の女の子から、今を生きることの幸せに気づかされました。朝起きて、朝食を食べ、学校に通い勉強し、友達と会話をし、昼には給食を食べ、帰る家があり、夕食を食べ、清潔に過ごす一日の流れが当たり前。でも、世界には、これができなくて苦しんでいる人がたくさんいるということを忘れてはならないと思いました。また、ミナさんのように家族や身近な人のために私ができることをしていこうと思いました。夢は大きく持ち、夢を持てることのすばらしさを学びました。ユニセフは世界中の子どもたちの声を聞き、助けていました。薬のほかにも文房具や生活に必要な物へと変えていました。私は、これからも募金を続けて一人でも多くの命を救いたいです。貧しい人々を救うことで、世界に笑顔が増え、平和が訪れることを願っています。
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