【優秀賞】やさしさで守られて 

玉井小学校 4学年 久能 蒼葉 
 みなさんは、やさしさをどんなときに感じますか。私は今年、やさしさで守られました。
「今年の夏休み、1人で京都に行くことに、挑戦してみない?一週間の旅だよ。」
「えっ、1人で?」
 私は、1人で京都まで行き、しかも一週間両親とはなれて生活するなんて考えられませんでした。きっと、つらい思いをするにちがいないとも思いました。しかし、お母さんに
「大人になったら、四年生のとき一人で京都に行けたんだ!と心に残ると思うよ。」
と、言われ、とてもまよいましたが、がんばって行ってみることにしました。こうして、わたしは今年の夏休み、一人旅を経験することになったのです。八月一日から六日まで、「京都国際子ども映画祭」というイベントに参加するというのは、わたしにとって大きなぼうけんです。楽しみに思う気持ちは、もちろんありましたが、出発の日に一日一日近づくにつれて、きんちょうと不安が心の中でどんどん大きくふくらんでいきました。
 とうとう出発の日が来ました。お父さんが仕事に出かけるとき、だきついたり、駅まで見送りしてくれた、お母さんと弟、それにおばあちゃんにだきついたりして、不安な気持ちをかき消そうとしました。新かん線に乗って席に着くと、なみだが流れました。乗っている間もなみだが止まりませんでした。
 しかし、京都駅に着くと、なみだはぴたりと止まりました。イベントの子どもスタッフのお姉さんが待っていてくれたのです。「えがおでむかえてくれているのにわたしばかりないていられない。」そう思ったのです。お姉さんのえがおを見たら、わたしも自然にえがおになりました。
 わたしは、ホームステイをさせてもらいました。石田さんという方の家です。石田さんのお姉ちゃんが子どもスタッフをしていることから、わたしはそこにとまらせてもらったのです。初めて会った人たちなので、わたしはきんちょうしていました。気づかってくれたのか、石田さんちの中学生のお兄ちゃんと三年生の女の子が
「いっしょに遊ぼう。」
と、声をかけてくれました。私は少しもじもじしてしまいました。でも、いっしょに遊んでいるうちに、家族のように楽しく話せるようになりました。ごはんももりもり食べることができました。石田さんちのお姉ちゃんとは映画祭に電車で行き、初めてしんさ員の仕事を経験しました。わたしの他に十人位の子どもしん査員がいましたが、今度は自分から声をかけて話すことができました。自分から声をかけるのは勇気がいりましたが、とっても気持ちがいいものでした。
 一人旅で出会ったたくさんのみなさん、見ず知らずのわたしに、えがおややさしさをありがとうございました。初めての一人旅はみなさんのやさしさで守られました。

 
このページの情報に関するお問い合わせ先
政策推進課 情報広報係 TEL:0243-24-8098 FAX:0243-48-3137