【佳作】 自分に出来ること

大玉中学校3年 大山 美樹
 
 昔、南アフリカ共和国では人種差別を促進するような政策、アパルトヘイト(人種隔離政策)が行われていた。アパルトヘイトとは、現地のアフリカーンス語で「隔離」とか「分離」といった意味を持つ言葉だ。白人と有色人種(黒人など)を分け、差別することである。主な例は、白人専用の公園などの場所に入った黒人の逮捕。選挙権は白人だけ、人種ごとに住む地域が決められていた等である。黒人は産業地盤の乏しい、限られた地域に押し込められ、白人社会では安価な労働力としかみなされなかった。人種の違う男女が結婚することを禁止され、たくさんの差別がなされてきた。アパルトヘイトは1991年に終了したが、今でも差別はなくなっていないと思う。差別はあってはならないことだ。もし今でもアパルトヘイトが公式に続けられていたらと考えると恐ろしい。
 アメリカのトランプ候補はこう言った。
「黒人は貧しく、教育も悪い、仕事もない」
と。これは紛れもない黒人差別だ。大統領に立候補していた人がこんなことを言ってもいいのだろうか。ダメに決っている。もちろん、誰であっても言ってはいけないだろう。
 ニュースでも黒人などという言葉を耳にすることが多いと思う。私は普段の生活の中でも
「外国人だ。あの人、肌黒くない?」
と言ってしまったことがあった。それからジロジロ見てしまったこともある。ジロジロ見られたりすることは相手はいい気持ちなわけがない。不快に思っているだろう。その何気ない一言が差別そのものなのだ。私たちが住む日本でも差別はなくなっていない。日本でもなくなっていないのに全世界でなくなるはずがないと思う。
 他にも目や肌の色など、容姿の事で差別される。おかしいことだ。自分とは違う。だからといって差別はダメだ。自分にだって他人とは違うところがあるだろう。それは個性だ。個性を否定されたら自分はどう思うのか考えてみた。嫌な気持ちにしかならない。いい気持ちになる人はいない。違うからしゃべらない、無視しようというのはいじめと同じことではないのか。うらやましという気持ちが少しあるからだろう。まず自分と他人の違いを認め、受入れることが大切だと思う。それから相手の長所や短所、個性を認め、受入れる必要がある。そうすることによって差別、いじめが減るのかもしれない。完全になくなるわけではないかもしれないが、なくすための第一歩になるのではないだろうか。この一歩を踏み出せる人、踏み出せない人の2種類に分かれる。この二人では大きく人生が変わってくる。
 差別というのは世界各地で起こっている問題だ。自分には関係のないこと、だと思っている人も少なくないかもしれない。この差別問題から目を背けてしまったら絶対に差別問題はなくならないから、しっかり目の前にある問題に全力で取り組むことこそ大事ではないのか。
 人には一人一人の個性がある。皆が同じであるわけがない。個性があるというのはとても素晴らしいこと。素晴らしいということを忘れることは絶対にダメである。
 差別。それは、絶対にしてはいけないこと。言われた相手のことを考えてみれば、それは誰でも分かることである。人種差別が世界中のみんなにダメということをしっかりと知ってもらうために、これから自分ができることをしっかりやりたい。人間が人間らしく生きられる世の中にすることは難しいことだろう。でもそんな世の中になれば良いと思っていても、何もしなければ何も変わらない。でも、そんな世の中を変えたいから、私は絶対に差別はしない。
このページの情報に関するお問い合わせ先
政策推進課情報広報係TEL:0243-24-8098FAX:0243-48-3137